• 上武建設株式会社(奈良県生駒市)
  • 現場:滋賀県蒲生郡
  • 取材:2015年6月

名神高速道路・竜王インターチェンジにほど近い現場で造成中の竜王工業団地。総面積52.6ヘクタールは、現在、国内で進行中の土木工事のなかで有数の規模を誇る。

奈良県生駒市に本社を構える上武建設(株)は、この現場の第1期造成工事(15ヘクタール)をほぼ終えた。レンタル中のD61PXi、D65PXiのうち、現在は1台が稼働している。

ブルドーザーの運転経験が6年のオペレーター、機材部 上西敏生氏は、丁張りがないので従来よりも作業がとても楽になり、その分作業効率も上がっていると語る。また、現場監督の機材部班長 角田重昭氏は、現場のデータがいつでも確認できるので、施工管理に安心感が増すと付け加えた。一方、現場の管理者としては、現場に合わせたデータ修正をタッチパネルで直接指示できれば利便性が増す、という印象も持っており、コマツレンタルの担当者にフィードバックした、という。

現場では第2期工事も既に始まっている。近い将来、大規模工業団地として地域経済をけん引する存在になることは容易に想像される。

D65PXi
D65PXi
[インタビュー]
上武建設株式会社
専務取締役 土木工事本部長 土本 智氏

土木工事では、高台を削って、発生した土で低い窪地を埋め立て、平坦な工業用地を造成するのが常道だ。だが2次元の図面を見て、どこを削り、どこに盛るか検討するのは難しい。しばしば誤差も生じ、その結果、無駄な残土処理や、土の追加搬入が起きる。ダンプトラックも追加手配しなければならず、コストも嵩んでしまう。

コマツレンタルは、元請企業の協力を得て、竜王工業団地の現場でSkycatch社製測量専用ドローンを飛行させた。ドローンは1期工事の現場、約18万m2(周辺を含む)を撮影し、3,400万ポイントの測量データに基づく正確な3次元現況図(図1)を描き出した。

この現況図をコムコネクトに読み込ませ、3次元の完成図を重ねれば、工事すべき土の量が極めて正確に把握できる(図2)。現況と設計面の差は色分けされており、全部緑になれば工事完了ということだ。全てがデータ化されているので、土の切り盛りも容易にシミュレートでき、最適な施工計画を迅速、正確に立案できる。コマツレンタルの担当者は「ICT機器の本格的な導入が始まり、短時間に現況把握ができるようになれば、工期短縮だけでなく、コストへのプラス効果も相当大きいはず」と語る。新兵器への期待は大きい。

現地測量に使用するSkycatch社製ドローン
現地測量に使用するSkycatch社製ドローン
Skycatch社製のドローンで測量した3次元現況図
Skycatch社製のドローンで測量した3次元現況図