コマツの行動基準

社長メッセージ

コマツグループは、「品質と信頼性」を追求し、企業価値を最大化することを経営の基本としています。「企業価値」とは、我々を取り巻く社会と全てのステークホルダーからの信頼度の総和であると考えています。そして、この信頼度の総和を高めるためには、業績を向上させ、経営の健全性と透明性を高めるだけでなく、社会から更に信頼される会社となることが必要であり、ビジネス社会のルールを遵守することが不可欠です。

ビジネス社会のルールとは、狭い意味での法令にとどまらず、社会で一般に尊重されているルールを含みます。また、社会において企業が果たすべき役割の重要性が高まっている今日では、社員一人ひとりが「企業の社会的責任」を十分に自覚し、社会の信頼に応えるよう行動することが、社会のルールの重要な一部になっていると言えます。

それら、広範囲にわたるビジネス社会のルールについて、世界のどこにおいても守るべき基本原則や、方針・考え方を示したものが「コマツの行動基準」です。コマツグループの全社員が永続的に継承すべき、コマツの価値観・強みを伝える「コマツウェイ」と並んで、コマツの企業としてのあるべき姿を示した重要な指針となっています。コマツグループの経営責任者をはじめ、世界中の社員一人ひとりが、これをよく読み、正しく理解し、遵守することが、グローバルな企業市民としてのコマツグループに求められています。

私は、常日頃から、社員の皆さんに、会社での判断の優先順位を、「S(安全)、L(コンプライアンス)、Q(品質)、D(納期)、C(コスト)」の順番で行うよう、お願いしています。

安全・健康・コンプライアンスは、全てに優先します。皆さんの職場には、「安全衛生に関するメッセージ」と「コンプライアンス5原則」のポスターが掲示されていると思います。これらは、不変の方針・原則です。

この「コマツの行動基準」は、大きく2つの部で構成されています。第1部では、コマツグループのコンプライアンス方針を明確にするとともに、コマツグループ各社の経営責任者・管理職がこれを遵守することを宣言しています。第2部は、私を含む全世界のコマツグループの社員全員が、個人としてビジネス社会のルールを守るために、すべきことと、してはいけないことを具体的に記載したものです。紙面も限られているため、この中に全てのルールを網羅することはできません。また、基本的な考え方が同じであっても、国や地域によって詳細ルールには差がある場合もあります。したがって、具体的な問題に対処する場合には、「コマツの行動基準」に示された基本的な方針や考え方に基づいて、各部門・各社の経営責任者や管理職はもとより、社員一人ひとりが遵守すべきルールの確認を行うことが求められます。

安全で、安心して働ける健康的な職場作りを実現するとともに、「ビジネス社会のルール」を遵守し、社会から真に信頼される企業を目指しましょう。

2019年4月1日
コマツ社長 兼 CEO
小川 啓之

経営の指針

コマツの経営の基本は、「品質と信頼性」を追求し、「企業価値」を最大化することである。

「企業価値」とは、社会と全てのステークホルダーからの信頼度の総和であり、この信頼度の向上のために、コマツグループ各社は、企業の社会的責任を自覚するとともに、以下の施策に努めなければならない。

(1)品質と信頼性の追求

「品質と信頼性」とは、お客さまに喜んで頂ける商品とサービスの提供にとどまるものではなく、コマツグループの組織、事業、社員そして経営の全てに関わるものである。

次の5つは、この「品質と信頼性」を高めるために何をすべきかを示す指針である。これは、経営の指針であると同時に、コマツグループに働く社員の一人ひとりが日々仕事を進めるうえでの指針でもある。

  1. 常にお客さまの立場を考え、安全で、環境に配慮した創造的な商品・サービスとシステムを提供するとともに、お客さまに最適な問題解決方法(ソリューション)を提供する。
  2. 常に技術革新と経営改善に努める。
  3. グローバルな視点で連結経営を推進する。
  4. 良き企業市民として地域社会に貢献する。
  5. 社員とその家族の健康と安全を守り、社員に創造と挑戦の場を提供する。

(2)コーポレートガバナンス(企業統治)の重視

コーポレートガバナンスの中核となる機関は取締役会である。コマツグループ各社は、常に、取締役会の活性化に努め、経営上の重要課題について実質的に議論し、必要な審議・決定と報告を確実に遂行しなければならない。

また、コマツグループ各社の経営責任者は、虚業を排し、堅実経営を行うとともに、自社に適用される法令とコマツグループの方針に則り、内部統制システムを確立し、経営の健全性と透明性を高めなければならない。

(3)「モノ作り」競争力の強化と「コマツウェイ」

コマツの強さの源泉は、コーポレートガバナンスの充実と「モノ作り」競争力の強さにある。

コマツグループが追求する「モノ作り」とは、「お客さまに満足頂け事業の拡大を支援できる商品、サービス、ソリューションを提供すること」である。また、「モノ作り」の全てのプロセスにおいて、安全と環境への配慮を重視し、お客さまにとってなくてはならない存在となることでもある。

「モノ作り」競争力を強化するためには、研究開発、調達、生産、販売、サービスおよび管理部門にいたる社内各部門はもとより、協力企業や代理店等、バリューチェーンを構成する全ての部門とビジネス・パートナーが一体となって活動を展開することが必要となる。

「モノ作り」におけるコマツの強さ、強さを支える信念と基本的な心構えおよびそれらを実行に移す行動様式等を現したものが「コマツウェイ」である。コマツグループ各社は、「コマツウェイ」を共有するとともに、その構成員が替っても、それぞれの組織と社員の中で、代々受け継ぐように努めなければならない。

第1部

第1部は、コマツグループのコンプライアンス方針を明確にするとともに、コマツグループ各社の経営責任者・管理職がこれを遵守することを宣言しています。コマツグループ各社の経営責任者・管理職は、第1部をよく読み、コマツグループの活動が「コマツの行動基準」に沿ったものになるようにしてください。

1.ビジネス社会のルールの遵守

(1)ビジネス社会のルールの遵守

コマツグループは、企業市民としての責任を自覚し、ビジネス社会のルールを正しく理解し、遵守しなければならない。「ビジネス社会のルール」とは、それぞれの国と地域の法令・規則、規格・基準および社会の規範の総称である。

ビジネス社会のルールは、世の中の変遷に伴って変化するので、常に最新の情報を得るように努めなければならない。

ルールを知らないことは許されないため、事業や業務に関係するルールを調査・確認するとともに、必要な関係者に周知徹底しなければならない。ビジネス社会のルールに関して判断に迷うことがあれば、関係部門または専門家と相談し、適切に対応しなければならない。また、問題の解決を先送りせず、これに積極的に取り組まなければならない。

コマツグループは、ビジネス社会のルールを遵守し、常に真実・誠実を尊重して、社会からの信頼に応えることを全てに優先させるものとする。お客さまから頼まれても、「会社のため」という理由であっても、ビジネス社会のルールに違反する行為を行ってはならない。

ルール違反を知った場合には、直ちにコンプライアンス担当部門および関係部門と連携してこれを是正し、適切な再発防止策をとらなければならない。いかなる理由があっても、不正やミスを繕ったり、隠したりしてはならない。

(2)取引慣行との関係

それぞれの国と地域には独自の取引慣行が存在する。それらを尊重するとともに、ビジネスを公正に行うという観点を優先し、不適切と考えられるものについてはこれに従わない。取引慣行が法令・規則に抵触する場合は、法令・規則を優先させなければならない。

(3)反社会的勢力・団体との関係

コマツグループは、市民社会の秩序や安全に脅威を与えるあらゆる反社会的勢力および団体からの要求は毅然として拒絶し、これらの勢力・団体とは、一切関係を持たない。

2.公正で適正な事業活動

(1)公正な競争

コマツグループは、関係法令を遵守し、率先して公正かつ自由な競争を行う。特に、以下の事項を遵守する。

  1. 談合、カルテル等、公正かつ自由な競争を制限する行為には断固反対し、これらは絶対に行わず、またその疑惑を持たれるような行為も行わない。
  2. 誹謗(ひぼう)・中傷、事業の妨害等、不公正な手段による競争者の排斥行為を行わない。
  3. 各国・各地域の法令に抵触する不公正な取引方法を用いない。
  4. 提供する商品やサービスの品質、価格等を適正に表示し、代理店やお客さまを誤認させるような不当表示を行わない。
  5. 他者の知的財産権を尊重し、その侵害を防止すべく適切な方策を講じる。
  6. 他者の機密情報を不正に入手・開示・利用しない。

(2)国内外の政府機関・公務員等との関係

政治・行政との関係は、公正かつ健全であるべきであって、もたれ合い、癒着等は絶対あってはならない。コマツグループは、関係法令を遵守し、公務員との間に疑惑や不信を一切持たれない透明度の高い関係を保つ。

コマツグループは、営業上その他の利益を得るために、自国・他国を問わず公務員(各国の法令で公務員に準ずると定める者を含む)に対し、金銭・物品・便宜その他の利益を提供し、申し出または約束することを一切してはならない。また、社員のみならず、取引先、代理店、代理人その他第三者に対しても、そのような行為を行わせてはならない。

コマツグループは、上記事項を遵守するため、その所在する国の法令のみならず、国際的な腐敗防止の基準にも留意しつつ、実務的なガイドラインを別途定めて周知徹底する。

(3)適正な輸出管理

コマツグループは、国際的な平和と安全の維持を目的とする安全保障輸出管理を適切に実施する。その原則の下、コマツグループは、商品の輸出および技術の提供等の取引が、大量破壊兵器および通常兵器の開発・製造・使用・貯蔵、テロリズムの支援、その他世界平和に脅威を与える目的に利用されることのないよう、輸出管理に関する各国・地域の法令・規則、コマツの方針および社内規則を遵守するものとする。

3.社会との関係

(1)社会的責任(CSR)

コマツグループの事業は社会の健全性・安定性に大きく依存している。このような観点から、コマツグループは、事業活動を推進するうえで、今日その重要性を増している企業の社会的責任(= CSR:Corporate Social Responsibility)を十分自覚し、企業市民としてその責任を果たすことにより社会の持続的発展に寄与することは、企業にとっての重要な固有の責務と考える。

コマツグループは、本業を通じて社会の役に立つことがそのCSR活動であると位置付け、この行動基準に記載されたルールの遵守、環境への配慮、社会貢献といった活動を展開するとともに、そうしたコマツグループの活動を各ステークホルダーに理解頂くための取組みを、更に積極的に行っていく。

こうした活動を強化するため、コマツグループのCSR 活動の統括部門として、コマツ本社に「CSR 室」を設置し、各関係部門と連携して活動を推進するものとする。

(2)人権の尊重

コマツグループは、その影響の及ぶ範囲内で、国際的に宣言されている人権の擁護を支持し、尊重するとともに、人権侵害には加担しない。

コマツグループは、あらゆる種類の強制労働を排除するとともに児童を就労させない。

(3)ステークホルダーとの関係

事業活動に影響を受ける人々を「ステークホルダー」と総称する。ステークホルダーには、お客さま、株主および投資家、代理店、協力企業、地域社会並びに社員が含まれる。ステークホルダーはコマツグループの良きパートナーであるとの認識に立ち、広報(PR)、インベスター・リレーションズ(IR)その他の活動を通じて、正確な情報を適切、適時かつ公平に開示し、長期的な信頼関係の形成・維持に努める。

a. お客さま

お客さまは、コマツグループの事業にとって最も大切なステークホルダーである。コマツグループは、常にお客さまの立場を考え、お客さまの必要とする情報を提供するとともにその声を誠実に受け止めて、環境に配慮した、安全で創造的な、優れた品質の商品・サービスとシステムを通じて、ソリューションを提供することに努める。

お客さまとの関係を大切にすることは、その言に盲従することではない。お客さまの考えを尊重するのは言うまでもないが、お客さまの要求に従うことがビジネス社会のルールに反したり、お客さまの利益に反する場合には、きちんとした説明を行い、勇気を持って「NO」と言うことが必要である。

b. 株主および投資家

コマツグループは、株主の投資価値を保全し、その利益を最大化するために最善を尽す。

株主利益の最大化とは、短期的な利益を求めることではなく、長期的な観点に立って、ビジネス社会のルールを遵守し、安定した経営を行い、業績を持続的に伸長させることである。

株主および投資家に対して、法令に定めるものだけでなく、経営方針、業績、配当政策等、経営全般にわたる正確な情報を迅速かつ公平に開示し、透明性の高い経営を行う。

c. 代理店

代理店は、コマツグループの重要なパートナーであり、販売・サービスネットワークの基盤である。代理店との間の契約を遵守し、長期的で安定した信頼関係の確立に誠心誠意努力する。また、代理店に対し必要かつ適切な支援を行うとともに、代理店によるビジネス社会のルールの遵守活動に協力し、「コマツの行動基準」の精神に沿った行動をとるよう働きかける。

代理店の選定は、その経営やビジネス社会のルール遵守の状況等、ビジネス上の客観的な判断に従って行う。

d. 協力企業

協力企業は、コマツグループの重要なパートナーであり、長期的で安定した信頼関係の確立に誠心誠意努力する。協力企業とはビジネスに限った節度あるクリーンな関係を維持し、協力企業との間で過度の接待、贈答、その他ビジネス社会のルールに反した行為を行ってはならない。また、協力企業に対しても「コマツの行動基準」の精神に沿った行動をとるよう働きかける。

協力企業の選定は、自由な競争を原則とし、ビジネス社会のルール遵守の状況や安全管理、品質、コスト、納期等、客観的かつ経営的な基準により行う。

e. 地域社会

地域社会の人々との調和なしに、企業の存続はありえない。コマツグループは、緊密なコミュニケーションを通じて、地域社会との利益の調和を図り、良き企業市民として地域に貢献する最も開かれた企業を目指す。

f. 社員

(第1部 第5章「会社と社員の関係」で詳述)

(4)社会貢献

a. 基本的考え方

企業の担う社会的責任の内容は、国や地域、会社によって異なるが、企業がその責任を果たしていくためには、社会との共生、すなわちいかにして社会の要請に応え、その信頼を得るかが鍵となる。コマツグループは前述のとおり、その本業を通じてその社会的責任を果たすことを世界共通の原則とするが、それに加え、世界の各地域においては、良き企業市民として地域社会との調和を図り、地域社会に貢献することが重要であることも認識している。そこで、コマツグループは継続して世界各地における社会貢献活動に積極的に取り組むこととする。

社会貢献に関する基本的な考え方(目的および社会貢献5原則)は次のとおりである。

目的

「コマツグループとその社員は、地域社会の一員としての役割を認識して、社会に貢献する。」

社会貢献5原則
  • 継続性のあること
  • 公益性のあること
  • 自主的に選んだものであること
  • 社員の納得性のあること
  • 広告宣伝を意図したものでないこと

b. 社員のボランティア活動

ボランティア活動は、社員が主体的に判断し参加するものである。コマツグループは、社員のボランティア活動に敬意を表し、各種制度を整備して、その自主的な活動を支援するが、社員のボランティア活動への参加を会社から強制しない。

4.地球環境への取組み

コマツグループは、提供する商品が、豊かで快適な生活を実現するために貢献している一方で、その生産、使用、廃棄の過程において環境への負荷を与えていることを認識し、その軽減に主体的に取り組まなければならない。

お客さまに対して、人と環境に優しい商品・サービスを提供することは、企業の大切な責務である。

コマツは、「コマツ地球環境基本方針」において地球環境に取り組む姿勢を明確にしている。この方針の下、環境活動を経営の最優先課題の一つと位置付け、環境保全活動を徹底して推進する。

【地球環境基本方針の基本理念と行動指針(抜粋)】

基本理念

(1) 持続可能な発展への貢献

環境保全活動を経営の最優先課題の一つと位置付け、あらゆる事業活動において、先進の技術をもって環境保全に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献する。

(2) エコロジーとエコノミーの両立

エコロジー(環境に優しい)とエコノミー(経済性に優れている)の両立を追求し、お客さまに満足頂ける、優れた「モノ作り」を行う。

(3) 企業の社会的責任

それぞれの地域の法令の遵守はもとより、地球環境および各地域の環境課題を踏まえた自主基準を制定して環境保全を推進するとともに、すべてのステークホルダーと緊密なコミュニケーションを図ることで、企業の社会的責任を果たす。

重点分野における行動指針

  • 商品の全ライフサイクルから排出される温室効果ガスの削減
  • 生産における省資源化、ゼロエミッションおよび商品のリサイクル可能率の向上
  • 大気・水環境等の自主基準の制定と遵守、化学物質の確実な管理
  • 生物多様性について事業所ごとに活動を展開

コマツグループは、上記の基本方針に従い、それぞれの事業活動のあらゆる過程で環境保全活動を推進する。

5.会社と社員の関係

社員は、会社の事業推進を担う重要な力であり、コマツグループのかけがえのない財産である。コマツグループは、世界中の社員一人ひとりの人権とともに個性・人格・プライバシーを尊重し、公平に取り扱う。

コマツグループは、社員とのコミュニケーションを密にし、社員が安心して働ける安全で健康的な職場作りに努める。また、教育・研修を通じて社員個々人が主体的にその能力を高め、それぞれが働きがいと誇りを持つとともに、その能力を十分に発揮するキャリア形成の場を提供する。

(1)人事方針

人事制度はそれぞれの地域の歴史、文化を反映したものであり、その制度の違いを正しく理解し、認識しなければならない。

コマツグループ各社は、以下の基本方針に基づき、各地域の事情を反映した、その地域に相応しい人事制度を構築する。

  1. 社員を個人として、その人権とともに個性、人格、プライバシーを尊重する。
  2. 社員一人ひとりを公正に評価し、雇用機会の均等を含め公平に取り扱うとともに、多様性を尊重する。国籍、人種、民族、肌の色、性別、性的指向、性自認、年齢、宗教、先祖、障がいの有無、婚姻の状態等を理由とした不当な差別は、絶対に行わない。
  3. 社員の心身の健康およびワークライフバランスに配慮し、充実した業務遂行ができる環境作りに努める。様々なハラスメント(職場内外での暴力、暴言、セクシャル・ハラスメントを含む)をはじめ、働きやすい職場環境を阻害する不当な言動は、これを許さない。
  4. 諸制度の設計および運用は社員に納得性のあるものとする。また、制度は正しく社員に伝え、可能な限りオープンなものとする。
  5. それぞれの地域で、労働者の権利に関する法令を遵守するとともに、社員個々人またはその代表者との対話・協議にあたっては、これに誠実に対応する。
  6. 児童労働・強制労働は絶対に行わない。
  7. それぞれの地域で、競争力のある労働条件を設定する。

上記の基本方針に反する状況や行為が見られた場合には、コマツグループは、直ちに調査のうえ、必要な対応を行う。

(2)安全衛生方針

  1. コマツグループは、まず第一に「社員が安全で安心して働くことのできる職場環境を確保する」とともに、「社員の健康の維持・増進」に努める。
  2. コマツグループは、その実現に向けて、全員が一致協力して、「積極的な安全衛生・健康管理活動」を推進する。
  3. コマツグループの各部門責任者は、上記を最優先課題として認識し、率先垂範して活動する。

(3)人的セキュリティの充実

コマツグループは、テロ行為、紛争・暴動、自然災害等、社員の生命・身体を危険にさらす事態が発生する可能性に絶えず気を配り、万一発生した場合にも、その被害が最小限に食い止められるよう、日頃から人的セキュリティの充実に努めなければならない。

(4)会社の資産と利益の保護

コマツグループは、それぞれの社員に対して、会社の資産と利益を盗難、横領、毀損、損失等から保護するよう周知徹底するものとし、特に、次の各事項を遵守する。

a. 会社の資産の保護

会社の資産は、設備、備品、資金および情報を含めて、すべて会社の適正な業務遂行の目的にのみ使用されなければならない。また、これらの資産の紛失、漏洩、盗難、不正利用を招かないよう、コマツグループは、会社資産管理の業務プロセスを書面で明確にするとともに、実施の確認を徹底しなければならない。

b. 会社の知的財産の保全・活用

知的財産権は会社の重要な財産であり、会社の業務に関連してなされたあらゆる発明考案、創作等が会社の法的権利として保護されるよう、社内規則を整備し、速やかに権利化のための手続を行わなければならない。また、会社が保有する知的財産権を最も効果的な方法で活用し、かつ、第三者による侵害または不正利用に対しては迅速な対抗措置を講じなければならない。

6.情報の取扱い

(1)情報の保護・管理

情報およびそのインフラ(あわせて以下「情報資産」と言う)がコマツグループの貴重な財産であることを認識し、コマツグループは、適用される法令および社内のルールに従い、社員に対して、情報資産を適切に保護し、管理するよう周知徹底しなければならない。特に、過失を含め、次の行為が発生しないよう、十分に注意しなければならない。

  • 公表されていない情報を許可なく、第三者(社内外)へ開示すること
  • 情報資産を本来の業務目的以外のために使用すること
  • 許可なく情報を修正すること
  • 業務における情報資産の利用を妨げること
  • 外部からのサイバー攻撃、ハッキングその他の違法行為への適切な対策を怠ること

さらに、情報の種類に応じた保護・管理上の留意点は、次のとおりである。

a. 会社情報

会社の技術、営業等に関わる情報は、コマツグループの貴重な財産であり、会社の業務遂行のために有効に活用することとし、許可なく開示、修正、破棄等を行ってはならない。

b. お客さまと取引先に関する情報

コマツグループは、取引等を通じて知り得たお客さまに関する情報(機械情報、施工管理情報、生産管理情報を含む)や取引先に関する情報について、法令・契約等に基づき、適正に管理する義務を負っている。お客さまや取引先に関する情報の取扱いに十分に注意することとし、法令上強制される場合を除き許可なく第三者への開示、目的外の利用を行ってはならない。

c. 社員に関する情報

コマツグループは、社員の個人情報を適正に管理し、所用の目的外に利用してはならない義務を負っている。業務上知り得た社員の個人情報については、本人の同意その他法令上の要件を全て充足している場合または法令上強制される場合を除き、第三者への開示、目的外の利用を行ってはならない。

(2)情報資産の活用・運用

全ての情報資産は企業活動のために利用されるものであり、違法行為その他、ビジネス社会のルールに反して、または、私的目的のために利用されてはならない。また、情報資産の活用および運用は、社内規則に従い、各社員がその職責に応じて、適正に行わなければならない。

(3)インサイダー取引の禁止

コマツグループは、公表されていない社内外の情報に基づき、インサイダー取引またはその疑いのある取引を絶対に行ってはならない。

(4)社内外への適正な情報開示

コマツグループは、株主・投資家をはじめとするステークホルダーに対して、法令・契約等による守秘の対象や企業秘密にあたる場合を除き経営全般にわたる情報の公開を積極的に行い、問い合わせに対しては公平性に留意しつつ、適切かつ迅速に対応する。勤務地域に関わらず全社員に対しても、同様に、情報の開示を積極的に行う。

一方で、コマツグループは、会社からの不適切な情報発信を防ぐとともに、個人によるソーシャル・メディア等の不適切な利用によって、コマツに対する誤解が生じたり、その信用が毀損されることを防止するため、ガイドラインを定めて、社員等に周知徹底する。

7.内部統制システムの確立と適正な財務報告

(1)内部統制システムの確立

コマツグループは、適切なコーポレートガバナンスを保証するため、会社法その他の関係法令に基づき内部統制システムの確立と維持に努めるものとし、特に、(i)透明性があり、健全で効率的な経営の維持向上、(ii)グループワイドでのビジネス社会のルール遵守、および(iii)監査を含めた適切なリスク管理等の推進を図るものとする。

コマツグループ各社は、上記を認識の上、自社における内部統制システムを整備しなければならない。

(2)適正な財務報告

コマツは、上場企業として会社法その他の関係法令に基づき連結ベースでの適切な財務報告書を作成し開示・提出することに対し非常に重い責任と義務を負っている。また、財務報告に直接係る内部統制と手続の有効性に関しては、財務報告同様、関係法令に基づく「内部統制報告書」の提出も義務付けられている。

有効な内部統制システムは適切な財務報告書作成においても必要不可欠なものであり、会社の全ての業務と密接に関係している。したがって、その整備と運用に関しては経理業務に携わる者のみならず、コマツグループの経営責任者と社員(以下「全ての社員等」と言う)の関与が求められている。

コマツグループ各社は、上記を認識のうえ、自社における財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムを整備しなければならない。また、関係法令、適用される会計基準および社内規則に従い、経理・会計・税務に関する記録および報告を適時かつ適正に行わなければならない。

コマツグループ各社のCEOおよびCFOは、毎年の自社の財務報告が関係法令および適用される会計基準に照らし適正であることをコマツのCEOおよびCFOに誓約する義務を負う。また、財務報告の信頼性に重要な弱点または欠陥がある場合には、コマツに報告する義務を負う。

8.コンプライアンス体制

(1)コンプライアンス委員会・コンプライアンス担当役員

ビジネス社会のルール遵守をコマツグループ全体に徹底するため、コマツ本社に「コンプライアンス委員会」を設置して、関連する問題の審議・解決に当たる。コンプライアンス委員会の委員長はコマツの社長とする。

また、コマツ本社にコンプライアンス担当役員を任命し、コマツグループのビジネス社会のルール遵守に関わる責任者であることを内外に明確にする。

(2)コンプライアンス委員会の役割

コンプライアンス委員会は、ビジネス社会のルール遵守をコマツグループ全体に徹底するため、次の役割を果たす。

  1. ビジネス社会のルール遵守に関する方針の決定
  2. コマツグループのコンプライアンス体制の構築と向上
  3. ビジネス社会のルール遵守に関する方針のコマツグループ各社および社員への周知徹底ならびに教育・啓蒙
  4. 内部通報制度を含むコンプライアンス活動の監督
  5. ビジネス社会のルールに違反する個別問題への対応と再発防止

コンプライアンス委員会の事務局として、コマツ本社に「コンプライアンス室」を設置する。

(3)内部通報への対応

ビジネス社会のルールの違反またはその疑いがある場合、これに関する相談、通報を受け付け、速やかに事実関係を調査して適切な対応を行うために、コマツ本社に常設の「コンプライアンス・ホットライン」を設置する。

(4)内部通報者の保護

コンプライアンス・ホットラインに相談、通報を行ったコマツグループの社員については、不正な目的による場合を除き、相談、通報を理由としていかなる不利益も受けないことを保証する。

(5)コマツグループ各社の体制の充実

コマツグループ各社は、それぞれのトップが率先して、自社におけるコンプライアンス体制を構築し、責任の所在を明確にして、社内に周知する。その際には、コマツ本社と緊密な連携をとりながら、上記(1)から(4)に準じた体制を整えるとともに、各種のコンプライアンス関連規定を整備する。

内部通報体制の整備に当たっては、全ての社員等がその母国語で相談、通報ができる窓口を整備し、明確な手続きが書面で周知され、かつ通報の的確な処理が可能な人的リソースを配置するよう、コマツグループ各社が相互に協力する。

コマツグループ各社は、「コマツの行動基準」に実質的に抵触しない範囲内で、自国のビジネスルールおよび自社の事業活動に適合する補完的な行動基準の制定に努めるものとする。なお、補完的行動基準の制定・改廃にあたっては、事前にコマツ本社(窓口:コンプライアンス室)と十分な協議を行うものとする。

第2部

第2部には、コマツグループの全ての社員等が、個人としてビジネス社会のルールを守るために、すべきことと、してはいけないことが具体的に記載されています。社員の皆さんは、第2部をよく読み、「コマツの行動基準」に沿って日常業務を行うよう心がけてください。

1.コンプライアンス5原則

「コンプライアンス5原則」(以下「5原則」)は、全ての社員等が守るべきコンプライアンス上の基本動作を、短い言葉でまとめたものです。日々「5原則」を確認し、「5原則」に従って日常業務を行うよう心がけてください。

コンプライアンス5原則
  • 1. どんな状況であっても、ルールを遵守し、社会からの信頼に応えなければならない。
  • 2. ルールを知らないことは、言い訳にならない。分からないことは、自分で調べ、重要なことは専門家にも問い合わせなければならない。
  • 3. 不正やミスは、直ちに関係部門に報告し、繕ったり、隠したりしてはならない。
  • 4. 不正やミスは、速やかに是正するとともに、有効な再発防止策をとらなければならない。
  • 5. 報告や通報を妨げたり、報告・通報を理由に不利益な取扱いをしてはならない。
      (会社として、報告・通報したことを理由として不利益な取扱いをしないことを確約します。)


社会から真に信頼される企業を目指し、SLQDCの優先順位と上記の原則を遵守するようお願いします。
マネジメントを含めた社員一人ひとりが、現場・現物・現実を直視し、共に問題解決に取り組みましょう。

それぞれの原則について、以下のとおり説明します。

第1原則

どんな状況であっても、ルールを遵守し、社会からの信頼に応えなければならない。

ルールを守らなければ、社会からの信頼を失います。
上司からの指示であってもお客さまからの要求であっても、ルール違反を正当化する理由にはなりません。数値の改ざんは納期を守るためにやったものだとか、他の人もやっていたから、などという理由もルール違反を正当化することはできません。もしその行動が公になった場合に、家族や子供、友人の前で正々堂々としていられるかも判断基準のひとつです。
ルールを守るには意識の高さも必要ですが、何よりもルールが何のために存在し、それを守ることが正しいと確信していることが大事です。
皆さんの日常業務についても、守らなくてはならないルールが沢山ありますが、ルールには、それぞれ目的があります。そして、そのほとんどは、「社会からの信頼に応える」ということなのです。ルールを知り、さらにその目的を理解することが、コンプライアンスの基本と言えます。
もし自分の力だけでルール違反を防ぐことが難しいと思ったときには、コンプライアンス・ホットラインに通報してください。

第2原則

ルールを知らないことは、言い訳にならない。分からないことは、自分で調べ、重要なことは専門家にも問い合わせなければならない。

社員がルールを知らずに違反を犯した場合、世の中では、会社がルールを知らなかったと評価されます。したがって、社員一人ひとりが、自分の業務や日常生活に関するルールは何なのかを、常に意識して行動しなければなりません。
法律について素人だからといって、難しいことは専門家に任せ、言われたことだけをやっていれば良いわけではありません。法律の難しい議論は分からなくても、自分の業務には、おおよそどんな種類のルールが存在し、それに違反するとどうなるかは、一人ひとりが理解する努力をしなくてはなりません。
また、ビジネス社会のルールは常に変化するので、一度理解したルールもその後の変更がないか、時折確認してみる努力も必要です。特に、社会からの期待は急激に変化することもありますので、新聞やテレビの報道にも気を配り、どんなルール違反が問題とされているのかにも関心を持ちましょう。
重要な事柄については、理解しているつもりでも、専門家のダブルチェックを受けましょう。

第3原則

不正やミスは、直ちに関係部門に報告し、繕ったり、隠したりしてはならない。

世の中で激しく非難される企業不祥事には、ある共通点があります。それは不正やミスを「繕ったり、隠したり」していることです。
すなわち、企業不祥事を避け、社会からの信頼を保つための基本動作とは、問題が発生しても、絶対に繕ったり、隠したりしないことだと言えます。
もしルール違反があると思ったときは、できるだけ早く、直属の上司または関係部門に報告するか、コンプライアンス・ホットラインに通報してください。
なお、重大な不正行為を発見した場合や、会計や監査に関して疑念を抱いた場合は、直ちにコンプライアンス・ホットラインに通報しなければなりません。
不正やミスのようなバッドニュースを報告することは、勇気のいることです。しかし、「繕ったり」「隠したり」するその場しのぎの対応は、必ずいつかは発覚します。その結果、問題は格段に大きなものとなります。

第4原則

不正やミスは、速やかに是正するとともに、有効な再発防止策をとらなければならない。

ルール違反があった場合、これを素早く是正することが、被害拡大の防止には大切です。しかし、再発防止策は、その場限りのものではなく、長期的な視野に立った適切な方法を検討しなければなりません。
火事に例えると、会社の倉庫から火が出ているのを見つけた場合、直ちに119番通報した後は、安全を確保したうえで、火事の拡大を防ぐため初期消火活動に全力を尽くすことが求められます。
さらに鎮火した後の行動も重要です。なぜ人気のない倉庫から火が出たのか、十分な検証を行って出火原因を突き止め、その原因を確実に取り除かなければ、いつまた火事になってもおかしくありません。
その努力をせず、ただ「火の用心」と書いた紙を貼るだけでは、とても科学的な再発防止策にはなりません。もし有効な再発防止策を実施せずに、再び同じような火事を起したら、その時は1回目の火事よりも激しい非難の対象となり、社会からの信頼は大きく失われてしまいます。

第5原則

報告や通報を妨げたり、報告・通報を理由に不利益な取扱いをしてはならない。
(会社として、報告・通報したことを理由として不利益な取扱いをしないことを確約します。)

会社が社会からの信頼に応えていくためには、自分の悪いところを、自分自身で探し出し、直せる機能を持たなければなりません。これを会社の「自浄機能」と言います。
自浄機能を発揮するためのツールとして、上司への報告というルートや監査という方法に加えて内部通報制度があります。
これらの仕組みを有効に働かせるためには、会社にとって有益な情報を報告・通報しようとする社員に対し、妨害するようなことをしてはなりません。正直者が損をするようでは、会社の自浄機能の向上は望めません。
同様に、誰が通報したのかを詮索することもしてはなりません。またコマツグループは通報者に対して、通報したことを理由に不利益な取扱いをしないことを確約しています。
なお、通報する側の人も、制度の趣旨をよく理解し、ただ単に他人を誹謗したり、中傷するためだけの通報はしてはなりません。

2.業務遂行上の基本倫理

第1部 第1章 (1)に記載のとおり、全ての社員等は、ビジネス社会のルールを遵守し、業務を誠実かつ適法に、そして倫理的に遂行しなければなりません。
とりわけ、倫理に反する行動は、職場の士気を損ない、生産性を低下させるばかりでなく、商談やお客さまを失ったり、マーケットシェアの低下、訴訟、制裁金、有罪判決といった深刻な事態にもつながるおそれがあります。
倫理に反する行動として、特に問題となるのは以下のようなものです。

(1) 詐欺的行為

事例:ある同僚は、私的な用事のため、会社の出張日程を延長することがあるようで、追加の費用(追加の宿泊費、交通費など)を会社に請求していると、彼が誰かに話しているのを立ち聞きしました。追加の費用の請求は問題ではないでしょうか?

コマツグループはあらゆる詐欺的行為を禁じています。詐欺的行為とは、故意に虚偽の報告を行ったり、情報を隠蔽することによって、会社その他から金品を騙し取ったり、損害を与えることを指します。
全ての社員等は一人ひとりが、詐欺的行為を発見し、あるいは防止する役割を担っています。ですから、皆さんはそれぞれの職責に応じて、起こりうる詐欺的行為や類似の不正行為のパターンを良く知り、社員のみならずエージェント、取引先等の第三者の行動の中にもその兆候が見られないか、目を配らなければなりません。
不正には、窃盗、横領、不正流用など様々なものがありますが、以下のようなものも含まれます。

  • 会社の手形・小切手をはじめ、有価証券を偽造、改ざんすること
  • 会社の現金、有価証券、資材、その他資産を、個人的な目的のために流用すること
  • 会社の取引を許可なく処理し、あるいは許可なく開示すること
  • 会社の帳簿、財務諸表等を、目的の如何を問わず、偽装、改ざん、操作し、あるいは滅失させること(行政官庁や内部監査による調査・手続を妨害・誘導するために、またはそれを予期して行われるものを含む)

上記のリストは、あくまでも代表的な詐欺的行為のパターンを示したものであり、これと異なるパターンの不正も存在しますので留意してください。
全ての社員等は、正直かつ真摯に業務に取り組むという大原則から逸脱してはならず、個人的利益や報酬などを得るための、反倫理的な仕組みや企てには一切関与してはなりません。

(2) お客さま・サプライヤー・代理店等との癒着

事例:同僚は、いつも決まったサプライヤーだけから仕入れを行っていますが、他のサプライヤーの価格に比べてずっと高いと思われます。同僚が、そのサプライヤーから金品を受け取っているという噂があります。問題ないでしょうか?

全てのサプライヤー(協力企業も含む。以下同じ)やお客さまなどの取引先との間で、賄賂、キックバックその他の便益の授受を行うことも、詐欺的行為の一種であり、倫理的な問題だけでなく法的な問題に発展するおそれがあります。
サプライヤー、お客さまその他の取引先との間で、業務遂行に関連した見返りとして、賄賂、キックバックその他価値をもつあらゆるものを直接・間接を問わずやりとりしてはなりません。ビジネス上の儀礼のためのもの、たとえば贈答品、接待、寄付等であっても、不正を疑われるような状況の下で、またはその他法が禁止する場合には、一切やりとりしてはなりません。
(公務員に対する贈賄に関しては、この行動基準の第2部 第5章を参照してください。)

(3) 贈り物

事例:サプライヤーの営業担当者が、あなたにスポーツ観戦チケット2枚を進呈すると言っています(なんと特等席です!)。あなたは、このサプライヤーとの取引についての決定権限を持っているコマツの購買担当者に対して直接の影響力を持っているわけではありませんが、どうもこのチケットをもらうと、サプライヤーの営業担当は何らかの見返りを期待するだろうという気配がします。このチケットは受け取ってもよいでしょうか?

競合他社、サプライヤー、お客さま、請負業者などからの贈り物は、それを受け取ることによって、彼らとの取引業務を適正に遂行する妨げとなるのであれば、直接であっても間接的であっても、また全ての社員等はもちろん、その家族等(配偶者、同居のパートナー、両親、子供、兄弟、祖父母、孫、その他の近親者など。以下同じ)であっても、受け取ってはなりません。

(4) 政治献金

事例:政党Xが、マイニング市場の活性化を公約しています。あなたの部署の予算が多少余っていますし、この政党を応援すれば会社のためになるかも知れません。会社の名義で寄付を行ってもよいでしょうか?

違法か否かに関わらず、コマツ本社による正式な承認・決定がない限り、会社の資金やその他の資産は、政党への寄付をはじめ、いかなる政治的目的にも使用してはなりません。なお、政治資金に関する各種の法令に照らして、合法とされる範囲での、公職候補者や議員との会合や、工場見学などはこの限りではありません。

(5) 文書・記録の保存

事例:書庫のキャビネットの引出しを開けたところ、20年前の設計図面が出てきました。あなたは、この引出しのスペースを使う必要があるのですが、出てきた図面を廃棄してもよいでしょうか?

会社の文書・記録類は、コマツグループ各社の文書保存規則、および関係法令等に従って保存しなければなりません。また、訴訟や官庁による調査の対象となっている文書等は、文書保存規則では廃棄が可能であっても、法務部門から別途許可が出るまでは、廃棄せず保管しなければなりません。これは紙媒体の文書・記録だけでなく、電子メールやコンピュータ上のファイルのような電子データについても同様です。廃棄可能かどうか判断に迷った場合には、法務部門に確認してください。

3. 利益相反

事例:私は、総務部門が会社オフィスの清掃を委託する業者を切り替える予定であることを知りました。私の叔父が代表を務めている会社がオフィスの清掃を手がけているので、総務部門に推薦しようと思いますが、問題ないでしょうか?

全ての社員等は、会社と競合する事業に関わったり、会社の利益を犠牲にして自分自身や第三者の利益を図ってはなりません(以下「利益相反」と言う)。利益相反は、様々な場面で起こる可能性がありますが、たとえ見かけ上だけのものであったとしても、避けるよう努めなければなりません。
以下は、利益相反が起こりやすい典型的な状況です。このような場合を含め、利益相反の懸念がある場合には、法務部門に相談するか社内規則に従って、事前に報告して承認を受けなければなりません。

  • 直接・間接を問わず、競合他社、代理店、サプライヤー、お客さま、請負業者等の株式や持分を保有すること(株式を公開している会社の1%未満の株式を保有する場合を除く)
  • 直接・間接を問わず、お客さま、代理店、サプライヤー、競合他社との間で、雇用関係に入ったり、役員に就任したり、コンサルタント業務を行うこと
  • いかなる事業分野であれ、コマツグループの事業と競合するような事業活動を行うこと
  • 会社における自分の業務に必要な時間と労力を割くことができなくなるような、社外での活動に従事すること(他の事業団体、公益団体、慈善団体等への関与を含む)
  • コマツグループで働く自分の家族等について、その上司となったり、その人事評価・報酬・福利厚生等に影響を与える立場となること
  • コマツグループで働く自分の家族等に対する、給与や各種手当てなどの支払業務を自ら担当したり、監督すること
  • 会社の社員、役員あるいはその家族等に対して、会社が融資を行ったり保証人となること
  • 業務遂行の過程で知り、あるいは自ら編み出した、コマツグループのビジネス・チャンス(潜在的なものも含む)を、自分自身や第三者のために利用すること
  • 会社に対して何らかの販売を行い、あるいは会社から何らかの購入を行うこと(ミニチュア等のノベルティグッズの購入は該当しません)
  • 会社の資産(資金、施設、設備、資材、ノウハウ、人員を含む)を、自分自身や第三者の事業のために使用すること

利益相反かどうかを判定する場合、自分の家族等について起きる状況は、自分自身に起きる状況であると考える必要があります。
利益相反の有無は、いつも明確に判定できるとは限りません。少しでも利益相反のおそれがあると感じたときには、直属の上司、法務部門または人事総務部門に相談しなければなりません。

4. 独占禁止法の遵守と公正な競争

事例:展示会で競合他社の営業担当者数人と昼食をともにしていたら、最近高騰する一方の鋼材価格についての話題に移りました。出席者は皆、鋼材価格の高騰を吸収するため、将来的には自社製品の価格を引き上げる必要があるとの認識で一致しました。このまま、議論の輪に加わっていてもよいでしょうか。それとも部屋を立ち去るべきでしょうか。あるいは、何らかの形でメモに残しておくべきでしょうか。

第1部 第2章 (1)に記載のとおり、全ての社員等は、全世界の独占禁止法や競争法を遵守しなければなりません。これらの法令は、自由な競争を保護し、公正な競争環境の実現を促進するものです。競合他社と相談して価格を決めたり、市場における競争の性質、範囲、または手段について合意しようと計画を立てたり実行したりすることは、会社の規則に反するものであり、独占禁止法に違反します。独占禁止法により、取引の拒絶、製品・地域・市場の割り当て、および製品の生産・販売の制限に関して合意することが禁止されることもあります。違法または倫理に反する手段を使って、競合他社の機密情報を入手したり、競争上の優位性を獲得することは禁止されています。全ての社員等は、業界団体の会合に出席する際は、その会合が合法的な事業活動であることを確認したうえで、競合他社と交流するにあたって、独占禁止法や競争法、社内規則に確実に従うよう十分に注意を払わなければなりません。
独占禁止法の執行は積極的に行なわれており、とりわけ、競合他社とのコミュニケーションは、直接的であれ間接的であれ、独占禁止法により制限されています。独占禁止法や競争法を遵守しないと、禁固刑を含む重い刑事罰や、多額の制裁金を科されます。全ての社員等は、違反につながるおそれがある行動には一切加わってはなりません。これらの法令は複雑ですので、いかなる行動であれ、独占禁止法違反の問題が生じる懸念があれば、前もってコマツグループ各社の法務部門に相談しなくてはなりません。競合他社と交流する場合は、必ず各社の法務部門に助言を求めなければなりません。また、独占禁止法遵守に関する各社の規則を確認し、遵守する必要があります。
とりわけ、以下の点には留意が必要です。

a. 競合他社との関係
いかなる形であれ、価格や販売条件、生産、価格変動、お客さまや地域の割り当てについて、競合他社と合意したり、協調したり、協定を交わしたりすることは、重大な違法行為であり、刑事訴追されるおそれがあります。したがって、競合他社とこのような行動について話をすることは、厳禁です。
いかなる会合であれ、価格や禁止事項に関して、何らかの定めをしたり、協調的な行動を行なうようなことが議論された場合には、直ちにその場から立ち去らなければなりません。また、そのような会合があった場合には、直ちに所属する会社の法務部門に報告しなければなりません。展示会であれ、専門家組織の会合であれ、いかなる機会であれ競合他社と接触する場合には、そのようにしてください。

b. 代理店・お客さまとの関係
代理店やお客さまに、一定の価格で製品の再販売を求めることは、再販売価格維持、または価格の垂直的制限といって禁止されます。

独占禁止法上の問題が生じる可能性がある例
独占的取引 独占代理店契約
抱き合わせ販売 代理店がある製品を買う場合に、他の製品も買わせる
テリトリー制限 代理店が製品を販売できるテリトリーを制限する
差別的対価 競合関係にある代理店に同一製品を異なる価格で販売する
一般的に、上述のような例は、個々の状況における個別の事実関係や条件によって独占禁止法上の問題を生じる場合もあれば生じない場合もあります。したがって、それぞれの会社の法務部門の審査と各事業部門の責任者の承認を経たうえでなければ、これらの行為は行なってはなりません。
また、代理店同士は、競合関係に立つこともあるので、代理店会議などの場において、仮に、代理店間においてテリトリー制限や販売価格制限などの取り決めが話題となった場合には、コマツグループがその一員となったり、仲介役となったりしないよう、社員等は即刻退席し、法務部門に相談しその記録を残さなければなりません。

5. 腐敗防止

事例:海外のある国の政府系企業の役員が、我が社の工場を見学に来ることになりました。遠路訪れてくれるので、会社の費用で名所観光に連れて行き、記念のお土産を贈ることにしましたが、問題ないでしょうか。

第1部 第2章 (2)に記載のとおり、コマツグループは、国内・海外を問わず、公務員との間の不透明な関係は回避しなくてはなりません。

(1) 公務員との関係

どのような状況であっても、公務員や公職の候補者に対して、事業上の不正な利益を得ることを目的として金銭の支払い、接待等、いかなる利益の供与もしてはなりません。ただし、このことは、社員が自分の支持する候補者や政党のために、個人として運動することを妨げるものではありません。政治献金を含め、個人としての政治活動については、個人の自発的な意思に委ねられています。

(2) 外国公務員への贈賄防止

全ての社員等は、外国公務員への贈賄防止に関してコマツグループに適用される各国の法令(米国のForeign Corrupt Practices Act(FCPA)、 日本の不正競争防止法などを含む)を遵守しなければなりません。これらの法令の下では、外国の公務員に対して、便宜を図ってもらうことを目的として、金銭その他の有価物を、直接・間接に供与することは犯罪となり、法人としての会社、子会社のほか、関連した役員、社員、エージェントなどが刑事責任を問われます。つまり、これらの法令は、仕事を得るために外国の公務員や政治家に対して、直接・間接に贈賄を行うことを、一切禁止しています。
コマツグループの製品の販売に関連して海外で代理店やエージェントを指名する際には、必ず事前に承認を受けなければなりません。代理店、エージェント、コンサルタント等に対して支払いを行う場合、その一部が、外国の公務員や公職の候補者に賄賂として使われると知っているか、あるいはそれを疑うべき理由がある場合、そのような支払いもしてはなりません。金額的に通常でない、あるいは不合理なコミッション等の支払い要請があった場合には、法務部門はじめ会社が指定する部署による検討を受けた後でなければ応じてはなりません。
提案されたとおりに支払いを行なったり、会社資金を用いたりすると、自国の法令では問題とならなくても他国では違法となる場合があります。エージェントや代理店からの要求に基づく金銭の支払いの場合によくあることです。コマツグループは、そのような法律を厳格に遵守しなければなりません。
また、米国のFCPAその他法令で定められた会計処理および帳票類保存に関する要件を満たすため、適正な会計方式に従って、取引内容を正確に記録しなければなりません。
世界には、マイニングやインフラ事業が国営になっている国々があります。それらの産業における役員や社員は公務員とみなされるため、彼らに対して事業上の不正な見返りを求めて金銭その他の有価物を提供してはなりません。
いずれにせよ、違法行為となるような活動は厳重に禁止します。違法かもしれないという懸念がある場合には、事前に法務部門に相談しなければなりません。

6. 輸出管理

第1部 第2章 (3) に記載のとおり、コマツグループは、世界各地の貿易関係法令を遵守しなければなりません。とりわけ、コマツグループの商品および技術が、大量破壊兵器および通常兵器の開発・生産・使用・貯蔵、テロリズムの支援、その他世界平和に脅威を与える目的に利用されないよう、各国・地域の安全保障輸出管理関係法令はもちろん、グループ内の規則、方針を遵守しなければなりません。各国・地域の法令は、コマツが国際的な取引や貿易を行なうに当っての条件や制約を定めており、政府機関に輸出入に関する正確な情報を提供することが求められることもあります。特定の商品、サービス、技術は、その性質や取引先、最終仕向地、最終需要者によっては、その輸出入が制限されたり、禁止されたりすることがあります。また、技術や商品、サービスを輸出入する際や、これらを国境、国籍を跨いで移転させる場合に、政府の事前承認が求められることもあります。これらの法令を遵守しなかった場合には、会社や個々の社員、役員は、民事上、行政上、刑事上の処分を受けることがあります。
全ての社員等は、ビジネス相手となる会社や人々をよく知る必要があります。国際的な取引を規制する法令を確実に遵守するためには、新しくビジネス・パートナーとなるサプライヤー、サービス業者、エージェント、コンサルタント、代理店などや、新規のお客さまについて、十分な注意を払って調査・選定することが重要です。
全ての社員等は、上記をしっかり理解したうえで、コマツグループのビジネス・パートナーやお客さまをよく知って、国際取引に関わる法令の遵守に必要な予防的措置を講じなければなりません。

7. 製品の安全性と信頼性

コマツグループは、設計仕様に基づいた使い方において、可能な限り安全で信頼性のある製品やサービスを提供することを方針としています。これを確実に実践するため、全ての社員等は以下の点に尽力しなければなりません。

  • 国際規格や各国の法規制を遵守した製品やサービスを提供すること
  • お客さまへ危害を与えない安全で安心できる製品やサービスを提供すること
  • お客さまが万一事故に遭遇した場合でも、最小限の被害となる製品を提供すること
  • お客さまの情報に耳を傾け、危険予知活動を続け、万一製品やサービスに欠陥が生じた場合は迅速な処置と情報公開に努めること
  • 製品安全性を重視する企業風土を醸成するために、安全マネジメントシステムや安全技術の標準化と継続的改善に努めること

8. 環境

第1部 第4章に記載のとおり、コマツグループは環境の保護、資源の保全および人間の健康を守ることの重要性を認識しています。全ての社員等は一人ひとり、コマツグループが環境に配慮するために行う以下の活動に協力しなければなりません。

  • 事業を行う国において適用されるすべての環境法令を遵守する。
  • 大気・水環境の汚染防止、廃棄物発生の最小化、資源リサイクルの促進、再生不能な資源の効率的な使用、温室効果ガスの削減、生物多様性の保全を推進するために、継続的に事業活動を改善する。
  • 戦略企画を含むすべての事業活動の計画と実施にあたっては、環境に配慮する。
  • 事業活動が環境に関する法令や会社のルールに従っているか否かを評価するために環境監査を実施する。
  • 環境への影響を最小限にする生産工程(プロセス)を使用する。
  • 環境法令違反の疑いのある時は、直ちに直属の上司、環境管理部門に報告するか、またはコンプライアンス・ホットラインに通報する。

管理職は、環境、健康および安全に関する規制・基準を認識し、気が付いた問題について上位の管理職に報告する義務を負っています。 代理店、請負業者、サプライヤーおよびビジネス・パートナーには、コマツグループの方針を理解して頂き、その環境、健康および安全に関するコマツグループの目標を達成するために支援してもらう必要があります。
政府機関から環境法令または許認可の違反についての指摘があった場合には、速やかに環境管理部門に報告しなければなりません。

9. 雇用機会の平等・差別禁止

事例:私の部下はとても優秀で、意欲的に仕事に取組み、キャリアアップを目指しています。しかし、育児をしながらではこれまでと同様の仕事は期待できないと思うので、本人には確認していませんが、彼女には今までのような出張の多い仕事やチャレンジングなプロジェクトではなく、負荷の低い簡単な仕事や補助的な業務を与えようと思います。そのような業務変更に問題はないでしょうか?

第1部 第5章 (1) bに記載のとおり、コマツグループは、社員と会社を取り巻くコミュニティの多様性を尊重します。全ての社員等は、国籍、人種、民族、肌の色、性別、性的指向、性自認、年齢、宗教、先祖、障がいの有無、婚姻の状態等を理由とした不当な差別をしてはなりません。
上記に違反する行為やその疑いに気づいた場合には、すぐに上司または人事総務部門に報告するか、またはコンプライアンス・ホットラインに通報しなければなりません。

10. ハラスメント

第1部 第5章 (1) cに記載のとおり、コマツグループは、ハラスメントや不当な偏見がない職場環境を保証します。社員個人の国籍、人種、民族、肌の色、性別、性的指向、性自認、年齢、宗教、先祖、障がいの有無、婚姻の状態等を理由としたハラスメントのない職場環境を整えます。
全ての社員等は、上記の方針を確実に実行する責任があり、どんな些細なものであってもハラスメントをしてはなりません。
コマツグループはハラスメントを防ぐため、問題がある場合には速やかに対応をとります。したがって、誰に対するものであれ、ハラスメントの可能性があるものは早めに報告してください。自分自身がハラスメントを受けている、または他の社員がハラスメントを受けていることを知った社員は、すぐに上司か人事総務部門に報告するか、またはコンプライアンス・ホットラインに通報しなければなりません。

11. 社員のプライバシー

第1部 第6章 (1) cに記載のとおり、コマツグループは、社員の個人情報を保護することを保証します。社員の個人情報は、会社の事業のため、および社員のためにのみ使用されます。コマツグループは、個人情報の保護に関する各国の法令を遵守します。
コマツグループは、社員の個人情報へのアクセスを正当な業務目的を持つ社員に限定するなど、不正なアクセスや開示から確実に社員の個人情報を保護するための予防手段を講じます。
全ての社員等は、社員のプライバシー保護に関する規則に従わなければなりません。業務に関して知った他の社員の個人情報を、許可無く開示または使用してはなりません。個人情報の例外的な開示、または使用は、人事総務部門の事前の承認があるときのみ認められます。

12. 安全と健康

事例:私が作業に使っている金属加工機械には、人の進入を検知して機械を止める安全装置がついていますが、センサーが敏感すぎて、時々想定外に停止します。このままだと作業効率が悪くなるので安全装置を解除したいのですが、よいでしょうか?

第1部 第5章 (2) に記載のとおり、コマツグループは社員、請負業者、周辺地域社会に対して、安全で健康的な、怪我の発生しない職場を保証します。会社の設備を用いた作業を計画し実施する際には、安全と健康を最優先で考慮しなければなりません。
コマツグループの設備は、適用されるすべての基準を満たしていなければならず、また全ての社員にとって安全で健康的な労働環境を提供するものでなければなりません。危険な労働環境を発見した場合には、ただちに施設管理者もしくは安全担当部門に報告をしなければなりません。
安全衛生関係者をはじめ社員の皆さんは、第1部 第5章 (2)に基づき、具体的には下記行動方針で進めてください。

  • 安全衛生関係法令および社内規程を理解し、遵守するとともに、問題点があれば迅速に対応する。
  • 労使が協力して取り組み、全員参加の下、ファクツファインディングで問題点を明らかにし、対策を図る。このため、各種コミュニケーションの一層の円滑化に努める。
  • 災害、火災を絶対に起こさないよう、現場におけるリスクを排除する。自然災害についても、被害を最小限に抑えるよう、最大限の努力をしていく。
  • 心も身体も健康で明るくいきいきと働ける職場づくりを目指す。
  • グループのみならず、パートナー (お客様・代理店・協力企業等)の安全衛生の強化にも積極的に取り組む。

13. 電子コミュニケーションツール

社員には、業務に使用する電子コミュニケーションツールとコンピュータシステムが提供される場合があります。これらのツールは、他の社員、お客さまおよびサプライヤー等との連絡、業務に関連する調査、有用なビジネス情報の入手など、主にビジネス関連の目的で提供されています。
会社のコンピュータおよび通信システムによって作成、送信、受信、または保存されるすべてのメッセージ、ファイル、ソフトウェアまたはその他の資料は、会社の財産であり、社員の私有財産ではありません。
電子メールやインターネットアクセスを含むコンピュータシステムの不正使用は、厳重に禁止されています。社員は、情報技術に関する社内規則を良く読み、遵守しなければなりません。この規則に違反した社員は、電子メールなどの電子コミュニケーションツールの使用権限、またはインターネットへのアクセスの権利を剥奪され、かつ雇用契約の終了を含む懲戒の対象となります。

14. 営業秘密・機密情報

事例:私は、コマツのダントツの技術を誇りに思っているのですが、公表されていない技術内容を友人に話してもよいでしょうか?

全ての社員等は、会社の営業秘密および機密情報(社外の第三者から預かっているものを含みます)を守秘しなければなりません。機密情報には、一般に公表されていない会社の情報がすべて含まれます。その例としては、財務データ、売上高、新製品情報、製造方法、お客さまおよびサプライヤー情報、仕入れ価格・製造原価・販売価格、M&Aに関する情報、設備投資計画、生産技術情報、図面、社員の個人情報などがあります。
営業秘密および機密情報は、社内規則に基づく場合、または法務部門が承認した守秘義務契約を書面により締結した場合を除いて、開示してはなりません。なお、開示する場合でも、開示の範囲は必要最小限としなければなりません。また、社内といえども、情報の開示は必要最小限としなければなりません。サプライヤーやお客さまの社員との会話やその他のやりとりをする際も、不用意に営業秘密や機密情報を漏らさないように注意しなければなりません。お客さまやサプライヤー、その他の人・企業の営業秘密および機密情報も守秘しなければなりません。
公的な機関や裁判所から、営業秘密または機密情報の開示もしくは提出要請があった場合は、社内の関係部門や法務部門と相談したうえで、適切に対応しなければなりません。

15. インサイダー取引の禁止

事例:あなたは、この四半期の会社の業績がとても良くなることを知りましたが、その情報はまだ公表されていません。あなたは、この情報が公表される前に会社の株式を購入してもよいでしょうか?

全ての社員等は、「重要な未公表情報」に基づく当該会社の証券の取引またはその疑いのある取引を行ってはなりません。重要な未公表情報とは、会社に関する未公表の情報で、一般的な投資家が投資判断を行う際に重要なものだと考える情報です。例えば、会社の業績またはその予測、重要契約の締結または解除・終了、M&Aの可能性、および事業戦略の大きな変更等の重要な意思決定、などが含まれます。会社が公表していない重要な未公表情報を故意に開示することは、法令によって禁止されています。
コマツグループの会社であれ他の会社であれ、もしその会社の重要な未公表情報に触れた場合、その情報が、法令に従って正式に公表されるまで、その会社の証券を売買してはなりません。これは、株式、債券など全ての証券に適用されます。
上記を遵守するために、全ての社員等は、

  • 重要な未公表情報を自己または他人の利益を得るために使ってはなりません。
  • 重要な未公表情報は、それを知る必要がない人には伝えてはなりません。
  • 疑問がある場合には法務部門または経営管理部門に問い合わせなければなりません。

16. 情報開示

第1部 第6章 (4)に記載のとおり、コマツグループは、会社の財務情報および重要な情報はそれらの開示について定められた方法によってのみ公表するものとし、アナリストの予測にはコメントしません。例外は、コマツのCEO、CFOまたはその都度正式に指定された役員による承認がある場合に限り認められます。
意図せずに会社に関する重要な未公表情報を開示してしまった場合には、その情報を正式に公表するかどうかを決めるために、直ちにコマツ本社のコーポレート・コミュニケーション部に連絡しなければなりません。
メディアとの接触は、開示・コミュニケーションに関する社内規則に従ってのみ行われます。全ての社員等は、会社の重要な未公表情報について外部の者から質問をされても回答してはなりません。「重要」な情報とは、会社に関して入手可能な情報を総合的に勘案して、一般的な投資家が、投資判断を行うにあたって重要な情報だと考える情報です。コマツグループ各社のトップは、業界新聞や業界向けまたはお客さま向けのその他のメディアに対して、「重要」な情報以外の情報を伝える社員を特定しなければなりません。
会社情報を個人のソーシャル・メディアに掲載してはなりません。また、ソーシャル・メディアでの情報の発信が、コマツグループによるものまたはコマツグループの承認に基づくものであるかのような印象を与えて、コマツグループの信用を傷つけるようなことをしてはなりません。そのような情報の発信には、人種、性別、性自認、信条、宗教、出身国、政治問題などについて論争を引き起こすような話題を含みます。
疑問がある場合には、所属部門の広報部門または人事総務部門を通じて、コマツ本社のコーポレート・コミュニケーション部に問い合わせなければなりません。

17. 内部統制システム

第1部 第7章 (1)に記載のとおり、コマツグループは、関係法令に基づき、内部統制システムを構築する義務を負っています。

(1) 内部統制システムの実践・遵守

全ての社員等は一人ひとり、その職責に関連する内部統制を実践・遵守し、内部統制上の欠陥や不正を発見した場合には、報告しなければなりません。

(2) 社内外の監査への協力

全ての社員等は、会社の監査に携わる外部の公認会計監査人や、監査・調査に携わるコマツグループの社員に対して、不正に影響力を行使したり、圧力を掛けたり、情報を操作したり、誤解させるような行為を、一切してはなりません。社内外の監査人が実施する監査・調査については、全ての社員等が協力しなければなりません。

18. 適正な財務報告

第1部 第7章 (2)に記載のとおり、コマツグループは事業取引や資産の処分に関して、会社の実態を適正に反映した正確で詳細な帳簿・記録を残し、これに基づいて投資家、行政官庁、株主等に対して、適正な財務報告を行う義務を負っています。また関係法令に基づき、会計に関する内部統制システムを構築する義務も負っています。
取引の金額、目的等に関する事実と異なる、あるいは誤解を招く処理、その他偽装、記載の省略等は許されません。正確な記録を要求される帳票類には、伝票、請求書、インボイス、財務データ、経費明細報告、船荷証券、行政当局への報告書類、業績報告書類、契約書(エージェント、コンサルタントその他第三者との契約)などが含まれます。
会社の帳簿・記録は、その事業を評価、運営、報告するための基礎となるものであり、そのため全ての社員等は、以下を守らなければなりません。

  • 取引や資産の処分を反映した完全かつ正確な帳票・記録を残すこと
  • コマツのCFOが承認した、会計、報告、統制に関する全ての社内手続きを遵守すること
  • 取引上の権利・義務が会社に発生する場合や、会社の財務情報を公表する場合は、社内で必要な事前承認を書面で取得し、保存すること
  • コンピュータ上のデータも含め、帳票・記録を安全に保管すること
  • 会社の監査部門、その他権限ある社員に対して、正確かつ完全な情報を根拠書類とともに提供すること

  • 1998年1月1日 初版発行
  • 1999年1月1日 第2版発行
  • 2000年6月1日 第3版発行
  • 2001年10月1日 第4版発行
  • 2003年2月1日 第5版発行
  • 2004年12月1日 第6版発行
  • 2007年1月15日 第7版発行
  • 2008年10月1日 第7版 第2刷発行
  • 2011年4月1日 第8版発行
  • 2014年4月1日 第9版発行
  • 2017年10月1日 第10版発行