生物多様性への取り組み

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コマツの事業活動が生態系に与える影響を認識し、生物多様性の保全に取り組んでいます。

生物多様性への取り組み

コマツは2011年1月に「コマツの生物多様性宣言」および「コマツの生物多様性ガイドライン」を制定し、世界の全ての事業所で生物多様性保全に向けた活動を開始しました。
コマツの事業活動が生物多様性に依存し、同時に影響を与えているという認識に立ち、生物多様性の保全に貢献する取り組みを2つの側面から推進しています。
一つは今まで取り組んできた「事業における環境負荷の低減活動」を着実に推進していくことです。また工場建設などの土地活用時にも生物多様性への配慮を義務付けました。
もう一つはコマツとして生物多様性の保全に直接的に関わり、また社員の意識を高める意味でも、その地域固有の生態系に配慮をした「1拠点1テーマ活動」を展開することです。

コマツの生物多様性宣言

コマツは、「事業活動が生物多様性の持つ生態系サービスの恩恵に依存し、また影響を与えている」との認識のもと、生物多様性が損なわれつつあるという危機感を共有し、生物多様性の保全とその持続可能な利用に努めるべく、下記指針に従い行動する。

Ⅰ(経営層の認識)

生物多様性の保全を、重要な経営課題の一つとして捉える。

Ⅱ(活動)

次の2つの視点を基本とし、気候変動問題と統合的に活動を進める。

  1. 事業活動を通して生物多様性に影響を及ぼしている環境負荷を低減する。
    1. 製品の環境負荷低減
    2. 製品のライフサイクルにおける直接的な環境負荷低減
    3. 土地利用時の生物多様性への配慮
  2. 社会貢献活動を通じて、生物多様性保全に寄与する。

Ⅲ(進め方)

実現可能性を勘案し、ステップバイステップ・アプローチにより活動を進める。

Ⅳ(地域との連携)

地域に根ざした生物多様性を保全するため、行政機関、地域住民およびNGOなどとの連携により活動を進め、地域が誇れる企業をめざす。

Ⅴ(全員参加の活動)

社員全員が生物多様性の重要性を認識し、全員参加で活動を進める。またその活動は、コマツの製品のライフサイクルに関わる協力企業、代理店およびお客様をも巻き込んでグローバル・グループワイドに進める。

Ⅵ(コミュニケーション)

生物多様性に関する社員の啓発に努める。また、自らの取り組みを積極的に情報開示し、社会における生物多様性の保全の重要性に対する認識度合いを高めることに貢献する。

事業所での取り組み(1拠点1テーマ活動例)

コマツキャステックス株式会社(KCX)

地元専門家の協力を得て、工場内ビオトープ池にて希少種の生息域外保全活動中

KCX「ふるさとの森」
KCX「ふるさとの森」
ミナミアカヒレタビラ
ミナミアカヒレタビラ

建設機械・鉱山機械の部品を、国内で唯一、鋳造で生産しているコマツキャステックス株式会社(富山県氷見市:以下KCX)は、富山大学理学部・氷見市連携研究室「ひみラボ水族館」の学芸員やビオトープ管理士の指導と協力を得て、KCX本社工場敷地内の「ふるさとの森」内に当初からあった池を活用してビオトープを造成し、2014年から、希少種であるミナミアカヒレタビラの生息域外保全活動に取り組んでいます。
ミナミアカヒレタビラは、コイ科タナゴ亜科タナゴ属に分類される日本固有亜種の純淡水魚で、島根県および鳥取県の山陰地方、福井県、石川県にも生息しており、富山県が国内分布の北限にあたります。また、2015年に絶滅が危惧されているとして、富山県希少野生動植物保護条例により、指定希少野生動植物に指定されています。
ミナミアカヒレタビラの体長は約6㎝で、産卵期(4月~7月)になると雄は明瞭な婚姻色を呈し、雌は産卵管を伸長させ生きた淡水性二枚貝の内部に卵を産みこむという特徴があります。この生息域外保全のためには、淡水性二枚貝が不可欠であることから、ミナミアカヒレタビラを2014年12月と2015年4月に合わせて100個体放流した際に、淡水性二枚貝(イシガイ)を同数程度、同じ池に放流しました。さらに、イシガイは、繁殖に際し淡水魚の鰭(ヒレ)等に寄生するため、イシガイの繁殖を目的として、タモロコおよびモツゴも放流しています。
なお、ビオトープから流出した水は、最終的に下流の仏生川水系へ流入することから、放流種は仏生寺川水系から捕獲した個体を用い、放流種が流出した際、本来の生態系に影響を及ぼさないよう配慮しました。
放流から1年半経過した2016年8月に、ミナミアカヒレタビラの個体数がどの程度増加しているか調査を行いました。第1回調査および第2回調査の結果、おおよそ1,000個体を超える程度(放流数の約10倍)に増えていることが明らかになりました。また、個体数調査時における捕獲割合は、80%以上がミナミアカヒレタビラであったことから、ミナミアカヒレタビラが「ふるさとの森」内の池における優占種であることもわかりました。
今後とも地元の学芸員やビオトープ管理士の指導をいただきながら、継続的にこの保全活動に取り組んでいきたいと考えています。

イシガイ
イシガイ
個体数調査の様子
個体数調査の様子