環境リスクマネジメント

法規制の遵守と汚染予防

コマツは、国や自治体の法規制を順守し、実測結果の定期的報告や保管等を確実に実施しています。
2017年度は、環境に関する軽微な違反が4件発生しましたが、全て対応済みです。また、環境を汚染するような重大な事故は発生していません。

土壌・地下水汚染

土壌・地下水の調査に関するガイドラインを定め、売却あるいは閉鎖・撤去計画のある事業所については法令に基づいて調査を行い、汚染がある場合は自治体の確認のもと浄化対策を行うことにしています。
また、稼働中の事業所においては、過去に洗浄液などに使用した揮発性有機化合物(VOCs)による汚染の有無を確認するために自主的な調査を行い、浄化対策を進めています。
2005年から国内の事業所でVOCsに関する土壌・地下水の調査を行い、汚染が確認された場合は対策工事を実施してきました。浄化方法はできる限り短期間で浄化できる方法を採用しています。2009年度には小山工場において浄化が完了しました。 その他の事業所では浄化対策の効果を確認しながら作業を継続しています。
今後も、確実に浄化作業を推進していくとともに、敷地外へ基準を超えた地下水が流出していないことを確認するために、敷地境界での地下水のモニタリングを継続していきます。

主な土壌・地下水の浄化状況

事業所名 浄化方法 浄化状況
粟津工場

掘削除去、土壌ガス吸引
揚水曝気、バイオレメディエーション(※1)

浄化中

小松工場跡地

掘削除去、揚水曝気
バイオレメディエーション

浄化中

大阪工場

土壌ガス吸引、エアースパージング
揚水曝気、バイオレメディエーション

浄化中

湘南工場

掘削除去、揚水曝気

浄化中

栃木工場

掘削除去、バイオレメディエーション

浄化中

  1. バイオレメディエーションとは、微生物などを用いて有害物質で汚染された土壌などを有害物質を含まない元の状態に戻す処理のことです。
  • 郡山工場・技術イノベーションセンタ(平塚)・テクノセンタ(伊豆)・実用試験部(大分)は調査の結果、汚染はありませんでした。

PCB廃棄物の管理

変圧器や蛍光灯の安定器などのPCB廃棄物をPCB特別措置法や廃棄物処理法に基づき、適正に保管・処理しています。
コマツでは2008年度から日本環境安全事業㈱(JESCO)による処理が始まり、順次処理を進めています。
2018年度以降も、低濃度のPCB廃棄物も含め計画的に処理を進めていく予定です。

PCB入りコンデンサ・変圧器の保有台数

第三者保証チェック

会社名 事業所 変圧器等 安定器等
2017年度
処理台数
処理待ちの台数 2017年度
処理台数
処理待ちの台数
コマツ 本社

4

0

0

30

粟津工場

2

0

78

0

大阪工場

0

0

0

284

小山工場

0

4

0

3

湘南工場

0

0

0

3

実用試験部

0

0

4

0

建機マーケティング本部

0

0

131

0

コマツ小計

6

4

213

320

コマツNTC

2

0

46

56

コマツ建機販売・コマツレンタル・コマツリフト

0

4

0

138

グループ小計

2

4

46

194

総合計

8

8

259

514

  • 旧小松工場分は粟津工場へ、旧真岡工場分は小山工場へ移管。

化学物質の管理・汚染予防

PRTR対象物質の低減

2017年度の取扱量1トン以上(特定第一種は0.5トン以上)のPRTR(※)対象物質は27物質で前年度より4物質増えました。
PRTR対象物質は、キシレン、エチルベンゼン、トルエンの3物質が、コマツ及びコマツグループ生産事業所の排出量の約93%を占めています。またそのほとんどが大気への排出となっています。
2017年度は各事業所でPRTR第一種指定化学物質の含有の少ない塗料、シンナーへの切り替えが進み、生産量が増加している割にはキシレン、エチルベンゼン、トルエンの取扱量は2016年より削減しております。
今後共PRTR第一種指定化学物質の含有の少ない塗料への切り替え、シンナー、塗料のハイソリッド化、塗着効率向上、塗膜厚の減少に努めていきます。2017年度の排出量は前年度より約4%削減いたしました。

  • PRTR:「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(PRTR法)に基づく届出制度

VOC排出量の低減

コマツキャブテックの新塗装ライン
コマツキャブテックの新塗装ライン

VOC排出量の大部分はキシレンやエチルベンゼンなど塗料に含まれるVOCです。
2017年の排出量は前年よりやや増加しましたが、VOC排出量の生産金額原単位は2005年度比50%削減を維持しています。

PRTR対象物質の排出量・移動量の構成

第三者保証チェック

国内グループ生産事業所

PRTR対象物質の大気への排出量

第三者保証チェック

国内グループ生産事業所

VOC排出量

第三者保証チェック

国内グループ生産事業所

環境負荷物質削減・欧州規制(REACH)への対応

海外の環境保全の高まりに対応し、コマツは早期からアスベスト、鉛などの環境負荷物質削減に取り組んできました。1999年度には、化審法の禁止物質や各国規制の禁止物質をベースに、使用禁止物質、使用制限物質を定め、環境負荷物質のトータル管理を開始しました(下記「製品への使用禁止・使用削減対象の環境負荷物質」参照)。
昨今はREACH(※)対応をベースとして、使用制限物質の見直しと削減または禁止を推進しています。サプライヤーの協力のもとに、製品中の負荷物質の管理強化のための管理システムを導入し国内、欧州法人で運用開始し、その他海外現地法人でも運用を進めています。

環境負荷物質管理システム

製品への使用禁止・使用削減対象の環境負荷物質

ランク 物質名
禁止

17

  • 6価クロム
  • カドミウム
  • 水銀
  • PBB/PBDE/HBCDD
  • 3置換有機錫化合物
  • 6ふっ化硫黄(※3)
  • PCB
  • アスベスト
  • 特定フロン/代替フロン(HCFC)
  • トリクロロエチレン
  • トリエタノールアミン
  • ヘキサクロロベンゼン
  • PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸化合物)
  • RCF(耐火性セラミックファイバ)(アルミナ/シリカ系)(※3) 
削減
(限定使用)

15

  • ひ素
  • セレン
  • 代替フロン(HFC)
  • 特定フタル酸エステル(DEHP/DBP/BBP/DIBP)(※2)
  • 特定塩素系難燃性処理剤(TCEP)
  • 特定多環芳香族炭化水素(PAH)
  • メタノール
  • DZ
  • BNST
  • DOTE
  • UV327
REACH規制
高懸念物質
(SVHC)

(181)(※4)

コマツの製品に使用している可能性がある以下の物質は管理対象。

  • DEHP/DBP/BBP/DIBPなど(5物質)
  • HBCDD/DBDE/トリスりん酸(2-クロロエチル)
  • RCF
  • 特定鉛化合物(4物質)
  • DOTE
  • UV327
  1. REACH(Registration, Evaluation, Authrisation and Restriction of Chemicals): 「化学物質の登録、評価及び認可に関するEU規則」
  2. フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジイソブチル
  3. 規制動向により制限強化
  4. 2018年4月時点の物質登録数(随時更新),コマツ建設機械・産業車両に該当しない物質を含む

水リスク対応

コマツグループでは、2015年度上期まで、地球環境基本方針をもとに、

  1. 水の使用量(投入量)削減とリサイクル(循環)の推進
  2. 水質保全を中心にした活動

を展開してきました。
しかし、異常気象の頻発や社会的要請(2015/1ダボス会議で水危機リスク第一位等)を受け、2015年度下期より新たに「水に関するリスク評価会」を立ち上げ、半年にわたって検討を重ね、国内外の主要な事業所を対象に「水リスク調査」を実施しました。

水リスク調査結果(グローバル45事業所 / 部門にて2016年1月実施)

コマツグループとしての水リスク

  1. 大雨による操業 / 事業への影響
  2. 排水による汚染リスク
  3. 河川氾濫によるサプライチェーンへの影響

上記結果に基づき、2016年度より従来からの活動を進めるとともに、水に関する問題がコマツグループの事業へ及ぼす影響を最小限となるよう、コマツグループの水に関する方針として、新たに「水リスク低減活動」を推進しております。

国内事例(小山・栃木工場)

大雨対策として、構内100mm/h降雨でも、1時間分の貯水を可能とする3つの貯水池と大雨送水管、地下貯水タンクを設けるとともに、雨水溝を拡張している。
また、敷地外に流さないように止水壁、止水板を設置している。

貯水池は、結果として周辺地域の排水能力不足にも貢献している。

  1. 小山工場20,000トンと10,000トンの貯水池(実施済)
  2. 小山工場4,000トン(建設中)と栃木工場12,000トンの貯水池(計画中)

海外事例(KI:コマツ インドネシア)

河川氾濫水がKI敷地内に入ることを防止する下記のような対策が講じられている。

  1. コンクリート壁の設置
  2. 従業員の非常扉設置
  3. 水門の導入
  4. 新しい排水設備設置
  5. 排水ゲートの導入
  6. 洪水用ポンプ設置

また、主要サプライチェーン(みどり会)にも「水リスク調査」を実施済で、2017年度から「水リスク低減活動」にご協力いただいています。

トピックス

持続可能な開発のための世界経済人会議の全体会合に参加

WBCSD全体会合の様子
WBCSD全体会合の様子

コマツはWBCSD(World Business Council for Sustainable Development:持続可能な開発のための世界経済人会議)の活動に2010年度から参加しています。WBCSDは、世界の会員企業数約200社のCEOクラスが問題を先取りして世界に向けて環境政策を提言し、自由な競争市場を国際的に作り出していくことを目的に1995年に設立されました。近年は「環境」に限らず、自らの長期ビジョンとして2050年までに「地球環境の制約下で90億の人々が健康に暮らせる世界」を目指すとともに、国連が2030年目標として2015年に打ち出したSDGs(Sustainable Development Goals)を実現する具体的活動に取組んでいます。
コマツは2017年10月メキシコシティで開催された全体会合に参加し、「気候変動」「資源循環」を考慮した持続可能な世界のしくみづくりに加わっています。