ブランドマネジメント活動

ブランドマネジメント活動とは

お客さまにとって不可欠な存在になる

コマツは「企業価値とは、我々を取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和である」と定義し、企業価値を高めることを経営の基本としています。

さまざまなステークホルダーが存在する中で、これを「企業価値を創る人」と、「企業価値を評価する人」とに分類した場合、前者を担うのは社員、協力企業、販売・サービス店などで、後者には社会、株主、投資家、メディアなどが含まれますが、この両方の役割を担うのが、唯一「お客さま」であると考えています。お客さまは、コマツの企業価値を共に創り、評価し、そして成果としてリターンを与えてくれる存在だからです。

そこで「お客さまからの信頼度を高めること」を、「お客さまにとって、コマツでなくてはならない度合いを高める」「その結果、パートナーとして選ばれ続ける存在になる」と定義し、「ブランドマネジメント(BM)活動」として、2007年より取り組みを行っています。

「顧客視点」でお客さまの理想や使命をともに実現

コマツのBM活動における基本的な考え方は「顧客視点」です。マーケティング活動では、とかく他社との差別化や、市場におけるポジショニングを考えがちですが、そうではなく、「お客さまが何を目指しているのか」という理想や使命、目標を達成することを考えるのが、顧客視点です。

それを実現するために、自分たちの持つ経営資源や能力を開発、提供し続ける活動を行っています。これらの取り組みも、従来はどちらかというと、経験や勘に頼る分野であったと言えますが、コマツのBM活動では、様々なツールや手法を用いて、ケーススタディを「見える化」し、ノウハウを蓄積して、それを次世代に残していく活動としています。

BM活動の基本となるツールの一つとして、「顧客関係性相関チャート」(図1)があります。お客さまとの対話を通じて、理想(=究極的なありたい姿)や使命(=理想実現のための条件)、目標(=具体的な達成項目)をじっくりと時間をかけて明らかにするところからスタートし、これらを達成するためにコマツは自社の経営資源や能力を駆使して何をすべきかを整理していきます。最終的には必ず達成するという強い決意をもって実行に移していくというプロセスがBM活動の基本ですが、一連の流れを一つにまとめたものがこのチャート図です。

図1:顧客関係性相関チャート
図1:顧客関係性相関チャート

また、活動の成果を確認する一つの指標として、お客さまとコマツとの関係性を7段階で表した評価ツール(図2)も独自に開発しています。コマツとは「付き合うに値しない(レベル1)」から「コマツは自社になくてはならない(レベル7)」までの7段階で関係性を評価したもので、必ずしもレベルの引き上げだけを目指しているものではありませんが、お客さまから選ばれ続ける存在になるための良好な関係性づくりを期待して活用しています。ただし、レベル付けは現地代理店の主観に基づく自己評価であるため、個々のお客さまとの関係性レベルが向上したり低下したりということには一喜一憂していません。継続的にお客さまから選んでいただける存在になることを目指しながら、日々のBM活動に邁進しています。

図2:顧客関係性7段階モデル
図2:顧客関係性7段階モデル

最新の状況と今後の取り組み

欧州BM大会ワークショップ(ブリュッセル 2017年6月)

2007年度の活動開始以降、当初は活動地域も日本・北米・チリ・南アフリカ・豪州だけでしたが、これに加え2013年度までには中国・東南アジア・欧州・ブラジル・オマーン・CIS・林業ビジネスにまで対象を拡大しています。2011年度には、この考え方をお客さまとの関係性におけるコマツウェイとして、「コマツウェイ・ブランドマネジメント編」を作成しました。

活動開始から10年以上が経過した2017年度には、顧客視点をこれまで以上に深化させるため、顧客ニーズ階層シートを開発しました。これによって顧客ニーズを階層に分けて検討することが可能となり、お客さまが達成したいことを実現するためのアイデア明確化が進むようになりました。世界各地で、顧客ニーズをテーマとしたワークショップも開催しています。

当初はマーケティング部門関係者だけで始まったBM活動も、現在では生産部門や開発部門も巻き込んだ全社活動に発展しました。組織横断でさまざまな部門を強化することに役立っており、幅広く人材育成の輪が広がっていることから、今後もコマツはBM活動を推進していきます。