Together We Innovate GEMBA Worldwide -Growth Toward Our 100th Anniversary (2021) and Beyond - 創立100周年とその先の成長を目指し、新たな中期経営計画(2016-2018年度)をスタート

2016年04月27日

 コマツ(社長:大橋徹二)は、2021年の創立100周年を見据え、そしてそれ以降も持続的な成長を目指すため、新たな3カ年(2016-2018年度)の中期経営計画「Together We Innovate GEMBA Worldwide -Growth Toward Our 100th Anniversary (2021) and Beyond-」を本年4月よりスタートしました。

 建設・鉱山機械の需要は、2000年代初めから新興国の経済発展を追い風に一時は過去最高の規模にまで伸長しましたが、現在は新興国の成長鈍化や原油などの資源価格低迷の影響を受け、主に「戦略市場」で調整局面が続いています。需要は今後しばらく足踏みすることが予想されますが、世界の人口の増加および都市化率の上昇を背景に長期では増加していくとの認識です。また、産業機械の需要は、主要な顧客である自動車業界および半導体業界で生産設備投資の増加が見込まれることから、今後数年にわたり多少の変動はあるものの堅調に推移する見通しです。

 今回の中期経営計画においては、引き続き「イノベーションによる成長戦略」、「既存事業の成長戦略」、「土台強化のための構造改革」の3つの経営戦略のもと、将来の成長に向けた種蒔きに注力すると共に、建設・鉱山機械の需要が停滞する中でも、コマツグループの強みである「IoT(Internet of Things)」の更なる活用などにより成長を加速させます。
    「KOMTRAX(機械稼働管理システム)」、「スマートコンストラクション」、「無人ダンプトラック運行システム(AHS)」、「KOM-MICS(Komatsu Manufacturing Innovation Cloud System)」などのコマツのIoTで、お客様の現場、代理店の現場および協力企業も含む生産現場の全体をつなぐことで、全ての現場の安全と生産性の向上を図り、これまで以上にお客様にとってなくてはならない存在になることを目指します。

<100周年に向けた成長>

 また、リテールファイナンス事業を新たな事業セグメントとして独立させ、リテールファイナンス部門の透明性を高めます。KOMTRAXから得られる機械の稼働情報や位置情報を与信管理に活かすことに特徴を持つ我々のリテールファイナンス事業を今後更に発展させていきます。

 過去3年間で、リテールファイナンス事業を除く事業部門の借入金は、計画通りに削減しました。今後の資金の使途については、成長のための投資を主体としながら、自社株買いを含む株主還元に一層配慮します。具体的には、連結配当性向を40%以上とし、連結配当性向が60%を超えない限り減配はしない方針です。

 コマツの経営の基本は、「品質と信頼性」を追求し、企業価値を最大化することです。企業価値とは我々を取り巻く社会と全てのステークホルダーからの信頼度の総和であると考えています。今回の中期経営計画においても、コマツグループの全社員が「コマツウェイ」を共有し、E(環境)/S(社会)/G(企業統治)についてもこれまで以上に強く意識しながら以下の重点活動にチームで取り組むことで、業績の向上、企業体質の更なる改善および社会的使命の達成をバランスよく実現していきます。

[経営目標]
    「収益性」、「効率性」、「株主還元」、「健全性」に加え、「成長性」を新たな経営目標の指標に設定しました。また、セグメント化したリテールファイナンス部門は、経営の効率性および財務の健全性の視点から、独自の経営目標を設けました。

[3つの経営戦略と重点活動]
①イノベーションによる成長戦略
    「品質と信頼性」を追及するコマツのモノ作り技術をベースに、グループ内で得られない技術については産学連携、産産連携により積極的に取り込むことで、ダントツ商品、ダントツサービス、ダントツソリューションを生み出し、お客様の現場にこれまでに無かった新しい価値を創造する「イノベーション」を引き続きスピード感を持って起こしていきます。

 建設機械・車両部門では、お客様の現場の「安全性」、「環境性」、「生産性」を大幅に改善するため、最先端のICTの活用により一層の自動化、無人化を実現する次世代の建設・鉱山機械を開発し市場導入を進めます。同時に、車体自身の基本性能を飛躍的に高める次世代のコンポーネントの開発にも注力し、フォークリフトを含めた商品に搭載していきます。
    現場の改善に必要不可欠な機械および施工の「見える化」を徹底的に行うため、KOMTRAXを一層進化させると共に、建設・鉱山現場の人、モノ(建設機械、トラックなど)、地形についての情報を共有できるプラットフォームを構築し提供します。
    見える化された情報を元にお客様の現場の課題解決に貢献する2つのダントツソリューション、建設現場向け「スマートコンストラクション」、鉱山現場向け「無人ダンプトラック運行システム(AHS)」は、サービス内容の更なる充実を図り、導入地域や規模を拡大し大きく育てていきます。

 産業機械他部門では、工作機械および板金・鍛圧機械の主要コンポーネントの内製化を進め、大幅に生産性を高めたダントツ商品を開発します。また、ギガフォトン(株)において最先端の半導体リソグラフィ用EUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外)光源の早期商品化に努めます。

②既存事業の成長戦略
    新商品の開発、生産、販売に加え、部品の供給やサービス活動を行うアフターマーケット事業、レンタル・中古商品の循環事業およびリテールファイナンス事業などで構成するバリューチェーン全体をM&Aなども活用しながら拡大、強化します。コマツグループの総合力を結集して、建設・鉱山機械および産業機械のライフサイクルコストの低減をお客様に提案することで、価格競争から一線を画して既存事業の成長を図ります。

 バリューチェーンの中でも最も重要なのが新商品の開発です。これまで以上にダントツ商品の開発に注力しつつ、伝統市場向けに新排出ガス規制対応機種や、戦略市場各国のニーズにあった建設・鉱山機械の開発を進め、解体、産廃、農業土木、浚渫などの分野向け商品の拡充にも努めます。またフォークリフト事業では、新型のバッテリー車(FEシリーズ)および油圧駆動式エンジン車(FHシリーズ)の商品系列拡大に注力します。今後大きな成長が見込まれるアジアで「ダントツNO.1」の確固たる地位を築くため、開発センターとトレーニングセンターを新設し、現地向けの商品開発や代理店人材の育成に一層努めます。

 機械の大きさや用途から一般建機と鉱山機械の中間に位置づけられる砕石・セメント分野に焦点を当て、建設・鉱山現場向けソリューションで培ったノウハウを活かし、お客様の現場の課題解決に貢献することで、当分野における我々の存在感を全世界で高めます。また、林業機械事業では本体やアタッチメントの拡充を図ると共に、伐採だけではなく造林・育林までを含む林業現場向けのソリューションを提供します。

③土台強化のための構造改革
    コマツの売上高は2000年代初めに比べ約2倍となりましたが、固定費をほぼ一定に抑制しています。今後も「成長とコストを分離する」という考え方に立ち、成長への投資と並行して積極的な原価低減および適正な固定費水準の維持に努めていきます。

    開発についても、計測および計算・シミュレーション技術などの向上にも努め、開発にかける期間やコストを従来から3割削減することを目指します。また、コマツの工場だけでなく協力企業の生産設備までもネットワークでつなぎ、リアルタイムに現場を見える化し改善する「KOM-MICS」による生産改革を推進していきます。更に、市場情報を工場に直結化することで、製品および部品供給のスピードアップと在庫の適正化を図ります。

 コマツグループの社員一人ひとりが、お互いを尊重し合う環境の中で、自身の個性を磨き、強みを発揮することが、次の「ダントツ」を生み出し会社の持続的な成長につながります。コマツは、多様性こそ会社と個人の発展の原動力であると捉え、それぞれが働きがいと誇りを持ち能力を十分に発揮できる職場や仕組みを提供すると共に、人材育成を継続して行っていきます。

管理番号 015 (2577)
コマツ サステナビリティ推進本部コーポレートコミュニケーション部
tel: 03(5561)2616
mail: JP00mb_cc_department@global.komatsu

※ニュースリリースに記載されている情報は発表時のものであり、予告なしに変更される場合があります。