農地・インフラ整備

地雷原は、
可能性に満ちた土地に変えることができる。
地雷原は、
可能性に満ちた土地に変えることができる。

農地や道路の復興で、人々が暮らしを取り戻す。

私たちの仕事は、地雷を除去したら終わりではない。農地や道路の復興など、その土地に役割を与えることだ。カンボジアの農業の2大作物は、コメとキャッサバ。田んぼの凸凹をなくし効率的に収穫するため、ICT技術で農地を均平化できるブルドーザーを活用した。すると、コメの収穫量が約2倍になった。また、用水路や水不足解消のための溜池を造成。これまで農業のできなかった乾季でも用水路に水を引けるので、喜ぶ農家も増えた。道路と道路を繋ぎライフラインを整備すると、人々が村に定住するようになる。出稼ぎをしていた家族が再び農業を営み、築いた道を人が行き来する。村が活気を帯びてきた。



ライフラインは、まさに生きるための道だった。

 

「日本地雷処理を支援する会(JMAS)」をパートナーに、これまで約4300ヘクタールにも及ぶ地雷原を安全な土地に変え、約100キロの道を整備した。地雷原や荒れ果てた土地は、緑豊かな農地に。国道につながる道は、これまで雨が降ると水没してしまっていたが、道路整備によりいつでも通行できるようになった。またひとつ、新たなコミュニティが生まれていく。


つくりあげることを、これからも。

JMAS専門家
下薗さん

私がカンボジアに赴任したのは2011年です。先輩方がつくってきた道路や学校を引き継ぐということに最初はプレッシャーを感じましたが、今ではもう一歩踏み込んだ仕上げ方ができないか、ひと工夫を心がけて作業しています。学校に通う子どもたちもどんどん大きくなり、私にとっては孫の成長みたいなもので、とても頼もしく感じています。


嬉しそうな農家の顔を見たいから。

JMASプロジェクトマネージャー
ヴィツーさん

この仕事を始めたきっかけは、日本語を学びに通っていた大学にJMASの求人があったからです。当時は、農地の整備が不十分だったためお米をつくっても儲からず、タイに出稼ぎに行く人がたくさんいました。それが一番もったいないと思いました。農地を均平化して、収穫量を増やし、タイに行った人を一人でも多く呼び戻したいですね。


安心して暮らせる毎日が喜びです。

ルン村
ポーさん

当時は水田が整地されておらず、蟻塚もあったので収穫量は少なかったです。以前は1ヘクタールあたり2トンの収穫でしたが、土地開発のおかげで3トンに増えました。水路が整備されたので乾季でも農作業ができるのも嬉しいです。暮らしは前より楽になりました。子どもたちは、たくさん勉強して豊かになってほしいですね。