環境特集

KMCのグローバルオペレーションの紹介

KMCは2017年、コマツグループの一員に加わり、Komatsu Mining Corp.としてブランドを再構築しました。Komatsu Mining Corp.へと社名が変わっても、KMCの本質は変わりません。継続的な統合努力を通じて、私たちはコマツの成長分野である鉱山事業を下支えする役割を担っていきます。今後も、ジョイ・グローバル、P&H、Montabertへの支援と投資を続けていく所存です。
私たちの4つの主力事業は、長年にわたるイノベーションを実践し、産業構造の変革に貢献してきました。そして1つのグループとなった今、さらなる鉱山事業の推進に向けた改革を進めていきます。現在KMCが展開する鉱山事業は以下の4つです。

  • 露天掘り事業:P&H と コマツ
  • 坑内掘り事業及びコンベヤ事業:ジョイ・グローバル
  • 油圧破砕機やドリル用アタッチメント:Montabert

お客様やステークホルダーと協力しながら、私たちは以下の方法によって持続的な未来に向けた革新を促進していきます。

  • 安全、法令、品質、納期、コストを優先順位とする事業の最適化
  • 先端技術の活用による継続的な革新と鉱山事業の変革を促進
  • 必要不可欠な事業パートナー関係構築の基盤となる、顧客に対する多様な製品・サービスおよびソリューションの提供・サポート

KMCロングビュー工場(テキサス州における事業紹介)

コマツロングビュー工場は、P&H ハイブリッドホイールローダーとHard Rock Load Haul Dump (LHD's) の製品群を生産する主管工場です。製造の中核拠点として、多種多様な鉱業製品と部品の生産を担う同工場は、高い技術を要する人材を確保し、溶接、製造、電気配線、そして組み立てなどを行っています。
過去70年にわたり製造してきた製品は、物品の搬送や石油・ガス事業、鉄道業、林業、そして建設や鉱業など数多くの業界で使用されてきました。 現在、同工場では主に以下の生産活動を行っています。

AC/DC/SR 電気モーターやドライバーの製造、遊星歯車装置の生産と組み立て、P&Hショベルローダーの製造、Joy Feeder Breakersの製造と組み立て、 77XRドリルの組み立て、P&H ハイブリッドホイールローダー、Joy Hard Rock LHD's、P&H鉱業空調システムの完全生産

同工場は、長い歴史と多様性が育まれてきた場所です。広大な敷地内には特徴的なドーム状の建物が目を引く一方で、静かな湖や湿地が存在します。
このロングビュー工場には、コマツの「SLQDC」※1 の精神が強く反映されています。特にプロセスの改善に注力しています。「災害ゼロ」の方針によって、施設は延べ400万時間稼働あたりの死亡事故件数ゼロ、疾病休業度数率0.17(2011年度比94%減)を達成しています。
こうした災害ゼロへの取り組みは、同工場が推進する環境・社会貢献活動にも波及し、強固な排水管理や排気抑制につながっています。テキサス州環境品質委員会では当取り組みをテキサス州における先進事例と評価しており、毎年各州の行政関係者を招待して見学会を開催しています。
同工場は、1946年の設立以来、常に地域とその地域の人と共に成長してきました。創立当初は従業員のための訓練センターだったレターノー私立大学と長期に渡って連携し、教育プログラムの開催や奉仕活動、その他の公共プログラムに積極的に関わっています。このことから、コマツのロングビュー工場は地域社会から推奨事業者として知られ、地元企業や行政関係者から高い評価を受けています。

  • 1 SLQDC:S(Safety:安全)やL(Law:法令遵守)を、Q(Quality:品質)、D. (Delivery:納期)、C(Cost:コスト)より優先すること
KMC Longview, TX Facility

KMCサステナビリティ・プログラム(環境コンプライアンス管理システムの一環)

KMCグローバル環境コンプライアンス管理システム(ECMS)は、サステナビリティ・プログラムを包含しており、当特集で取り上げる中心的な内容となります。テキサス州施設であるロングビュー工場は、地元、州、そして連邦の環境規制への継続的な対応を基盤に、人の健康や環境に対して無害であることが求められる環境法への遵守や持続可能な環境経営に尽力していることから、規制当局、産業機関、コミュニティから当分野のリーダーであると高く評価されています。なお、KMCが取り組むサステナビリティ・プログラムの具体的な内容は以下の通りです。

事業リスクの排除(操業による人体または環境への潜在的な悪影響を及ぼす脅威が無い)

KMCは事業活動において、大気中への汚染物質排出(温室効果ガス―CO2を含む)を低減する取り組みを実施しています。また、有害・無害にかかわらず、リサイクルや再利用の最大化、廃棄物の削減を目的に、廃棄物管理計画を導入しているほか、雨水管理システムによって、排水の排除や豪雨による雨水の再利用を進めており、現在99.7%の効率性を実現しています。また、1980年代に発生した施設敷地内の密閉有害廃棄物漏れによって軽度の影響を受けた地下水は、現在汚染物質が感知できないレベルまで改善され、生産活動による人体または環境への悪影響はありません。

カーボン・環境フットプリントの最小化

2017年度、ロングビュー工場が排出したCO2(Scope1)はおよそ5,077トン(CO2換算トン) でした。同工場は、よりクリーンなエネルギーへの代替、低CO2排出設備の導入、省エネ対策を通じて、温室効果ガスを削減しています。
同工場へ電力を供給する電力会社から排出される、施設敷地外の温室効果ガス(Scope 2)については、2017年度の排出量はおよそ1万5,795トン(CO2換算トン)でした。さらに、KMCのサステナビリティ・プログラムは、優先的に削減すべき有害排気ガス(VOCs, NOx, SO2, CO, PMなど)の削減に取り組んでいます。ロングビュー工場は、最先端の廃棄処理装置(RTO)を導入し、塗装処理の際に発生するVOCsの98%以上を無害化しています。
また、天然ガスをエネルギー源とする設備では、低濃度窒素酸化焼却機を使用し、微粒子を排出する設備には汚染物質管理装置を装備しています。2017年度は、削減優先度の高い有害ガスを11.2トンまで抑えることに成功しました。これは、ロングビュー工場のような大規模製造事業者としては非常に低い数値を達成しています。

ロングビュー工場における温室効果ガス排出量(2017年度)

Scope CO2換算排出量(換算トン)
1

5,077

2

15,795

  • RTO that destroys 98% of VOC emissions

着実な循環型社会の確立

Waste Recycling Station

ロングビュー工場では、廃棄物の有害・無害にかかわらず、廃棄物量の最小化に努めています。同工場では、有害廃棄物の排出を1カ月あたり1トン未満に抑制しており、そのうち約95.4%がリサイクルされています。また、無害廃棄物は、リサイクルが可能な金属くず、廃棄油、木材などについてはリサイクルを実施しています。現在、同工場で発生した無害廃棄物のうち、およそ25.5%がリサイクルされていますが、将来的には技術開発によってリサイクル率を引き上げる計画です。

ロングビュー工場における産業廃棄物量(2017年度)

分類 発生量(トン) リサイクル率(%)
有害

7.20

95.4

無害

1938.90

25.5

大気、水資源の保全と廃棄物

ロングビュー工場の水質保全を行う水処理施設

ロングビュー工場では、事業活動を通じて汚れた空気を工場のあらゆる過程で吸収、浄化、再利用することで、大気の保全に努めています。また、工場での水使用量は、閉ループ式システムの採用により、工場排水と雨水を貯蔵、処理、再利用することによって事業に必要な水の購入量を大幅に削減し、水資源の保全に取組んでいます。
同工場が実践するこの水資源保全計画は、ロングビュー工場が水資源の消費者ではなく、むしろ市街地への水の供給者としてロングビュー市から認識されるほどの効果を上げています。2017年には、同工場は、26万9,012立方メートルの雨水を再利用する形で「供給」しましたが、この水の量は同工場が購入した水量を20万1,163立方メートルも上回りました。
また、有害廃棄物の削減には著しい成果を上げ、無害廃棄物の削減を強化する追加策が計画・実施されようとしています。

ロングビュー工場における水資源の保全(2017年度)

分類 水量 (立方メートル)
購入

67,849

雨水

2,228,504

排水された雨水

1,959,492

使用のため貯留、処理された水

269,012

リサイクルされ事業に供された水

269,012

水処理施設から提供された総量

201,163

  • リサイクル、再利用された水

野生動物と天然資源の保全を目的とした生物多様性保全プロジェクトの実施

ロングビュー工場は、大規模な生物多様性保全プロジェクトをはじめ、水資源の保全や工場排水と雨水の貯留、保持、処理、およびリサイクルシステムの導入を進めることで、法令を遵守しながら水の供給者としてのステータスを維持し、同時に野生生物と動植物にとって安全な生息地を確保する活動を実施しています。また、オレゴン州のKMCトラウトデール工場で実施されている生物多様性保全プロジェクトも一つの成功例です。河川水への汚染物質の流出を防止し、貯蔵場の水の大部分を再利用することで、地域の野生生物や固有種の保護を推進しています。

ルトーノー湖(水鳥と魚類の保全のため、浄化、貯留、処理を実施)
野生動物の生息地を確保するため、生物多様性保全活動を実施
水生生物保護のための河川水と汚染水の散水ろ床法による浄化を実施
  • 散水ろ床法:砕いた石の表面に存在する微生物の作用により,砕石の上を通過する間に有機物が分解する仕組み

環境にやさしい製品の開発・製造

ロングビュー工場では、環境にやさしい製品を幅広く製造しています。SRハイブリッドホイールローダーもそのひとつで、低エミッションエンジンを使うとともに、油圧駆動システムから電気駆動システムへの転換も行うなど、環境に配慮した商品を生み出すため、さまざまな創意工夫を継続しています。

「環境にやさしい」SRハイブリッドホイールローダー

KMCは「グローバル環境コンプライアンス管理システム」を導入し、これを世界中の工場施設に導入しています。サステナビリティ計画もこの一部です。ロングビュー工場は、グローバル環境コンプライアンス管理システムの重要な要素である世界基準のサステナビリティ・プログラムを長年推進してきました。多くの誇るべき成果を挙げているKMCとロングビュー工場は、今後も持続可能な環境に配慮した事業展開を展開し、さらなる改善に向けた努力を継続していきます。