トップメッセージ

代表取締役社長 大橋 徹二

ESGへの取り組みを強化し、お客さまや社会の課題に貢献します。

代表取締役社長 大橋 徹二

2016年4月に発表した中期経営計画「Together We Innovate GEMBA Worldwide -Growth Toward Our 100th Anniversary (2021) and Beyond-」では、「イノベーションによる成長戦略」、「既存事業の成長戦略」、「土台強化のための構造改革」の3つの経営戦略を示し、環境・社会・ガバナンス(ESG)の強化を通して長期的成長を実現していくという目標を掲げました。

コマツはこれまでもESGを重視した取り組みを展開してきましたが、中期経営計画にキーワードとしてESGを取り入れた理由は、私が様々なステークホルダーの皆さまとの対話を繰り返す中で、ESGに対する要請がますます大きくなってきていることを実感したからです。

例えば、鉱山会社のお客さまを訪問すると共通して話題に挙がるテーマの一つがESGです。お客さまの現場での環境・安全への対応だけでなく、事業で培ったノウハウの活用を通じた人材育成や地域発展への貢献のために一緒に取り組んでいきたいと声をかけて頂く機会が増えてきていると感じております。

こういった潮流をうけ、2016年12月には投資家の皆さまを対象としたESG説明会を開催しました。コマツがおよそ100年前の創業当時から大切にしてきた想い―「海外への雄飛」、「品質第一」、「技術革新」そして「人材の育成」といった柱を土台として、これまで世界中で展開してきた取り組みをESG説明会の中で紹介しましたが、この『CSR報告書2017』でもその想いを皆さまにお伝えしたいと思います。

環境への負荷を低減する取り組み

コマツの主要製品である建設機械がライフサイクルを通じて排出するCO2の量を見た場合、その約90%がお客さまの使用現場で発生しており、CO2排出量を削減するための製品やソリューションを提供することが環境負荷低減に大きく寄与します。

建設機械の遠隔管理システム「KOMTRAX」から得られる稼働データに基づいた省燃費運転の提案や、ハイブリッド油圧ショベルの市場導入などは長年展開してきた継続的な活動ですが、CO2排出量が少ない工法を開発し、お客さまに提案することも重要なソリューションのひとつと考えています。

2015年から日本国内で展開している「スマートコンストラクション」は、ICT建機による作業機操作の自動化とともに、計測データ、設計データ、工程の進捗等の建設現場のあらゆるデータをICT技術でつなぎ、安全で生産性の高い「未来の現場」を実現させていくコマツのダントツソリューションです。これは、建設機械の効率的な稼働によって工期の短縮を実現し、結果として作業量当たりのCO2排出量削減を図る取り組みです。

持続可能な鉱山運営の支援

世界人口の増加や都市化率の上昇を背景に、主要鉱物の消費量・生産量は今後も中長期的に増加していくものと予想されますが、鉱山運営の現場では、安全で環境負荷の低い効率的なオペレーションが強く求められています。24時間365日体制で稼働する過酷な鉱山現場において大きな課題となっているのが、人的要因による操作ミスや人身事故の発生リスクです。また、切れ目のない安定的なオペレーション体制の構築も、生産性を向上させるためには避けて通ることができません。

鉱山事業におけるこれらの課題に対応するため、コマツが編み出したソリューションのひとつが無人ダンプトラック運行システム(AHS)です。高精度GPSや障害物検知センサー、無線ネットワークシステム、車両に搭載の各種コントローラーを駆使することで、300tもの土量を積載可能な複数台の超巨大ダンプトラックを1,500km離れた中央管制室から遠隔で運行管理することに成功し、安全性が飛躍的に向上したことに加え、安定した運転操作による燃費改善やタイヤの寿命向上も導入効果として表れています。

今後もAHS事業を通じ、鉱山事業従事者に対してより快適で魅力のある働き方を提案し、鉱山現場が未来に向けてより安全で環境に優しく、生産性を維持向上できるソリューションを提供し続けます。

SLQDCを原則とした行動

社会において企業が果たすべき役割の重要性が高まっている今日、社員一人ひとりが「企業の社会的責任」を十分に自覚し、狭い意味での法令にとどまらず、社会一般に尊重されているビジネス社会のルールを遵守することが、社会の信頼に応えるために不可欠です。

私は社員の皆さんに何かに迷ったときには「SLQDC」の優先順で判断、行動して欲しいと伝えています。これはSafety(安全)、Law(法令遵守)、Quality(品質)、Delivery(納期)、Cost(コスト)の頭文字を取ったもので、安全が一番でその逆はないということです。

コマツは、「企業価値」とは、社会とすべてのステークホルダーの皆さまからの信頼度の総和と考えています。この変わらぬ指針のもと、中期経営計画のターゲットである2019年3月、そしてコマツの100周年である2021年とその先の将来に向け、ESGへの取り組みを更に強化してまいります。また、国連グローバル・コンパクトやWBCSDなどのイニシアチブにも積極的に参加しながら、グローバル企業としての責任を果たしてまいります。

2017年7月
代表取締役社長 大橋 徹二

コマツは「国連グローバルコンパクト」(UNGC)に署名しています。
UNGCが提唱する10原則と、コマツの取り組みの関係については、こちらをご覧ください。

コマツは「持続可能な開発のための世界経済人会議」(WBCSD)に加入しています。
こちらをご覧ください。