トップメッセージ

代表取締役社長 大橋 徹二

ESGを意識した事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献します。

代表取締役社長 大橋 徹二

2016年4月、コマツは新しい中期経営計画「Together We Innovate GEMBA Worldwide -Growth Toward Our 100th Anniversary(2021) and Beyond- 」を発表しました。前の計画を策定してから、建設・鉱山機械の世界需要が新興国を中心に調整期入りし、3年前とは大きく環境が変化しましたが、長期的には市場の成長が見込めるという前提は変更していません。個々の項目を点検し、見直すべき点には個別の対策を打っていく一方で、「イノベーションによる成長戦略」「既存事業の成長戦略」「土台強化のための構造改革」という3つの基本戦略を引き続き推進していきます。

また企業の長期的成長のためには、環境・社会・ガバナンス(ESG)の強化が重要であり、積極的に推進することが欠かせないと考えています。コマツはこれまでもESGを重視して取り組んできましたが、中期経営計画の目標の一つとして、さらに積極的に対応してまいります。

ここでは中期経営計画の策定時に整理したいくつかの社会課題を取り上げ、コマツがこれらの課題に対してどのような活動をしていくのか、事例をご紹介します。

建設業の労働力不足、現場の安全性・生産性向上に対応します。

日本の建設業界では労働人口の減少が深刻な課題となっています。熟練労働者不足は世界共通の課題でもあります。また建設・鉱山現場においては安全性や生産性の向上が従来に増して強く求められています。このようなお客さまの「現場の課題」を解決する提案力強化に向け、コマツはオープンイノベーションも活用しながら、ダントツ商品・サービス・ソリューションの開発を加速し、イノベーションによる成長を目指しています。

具体的な事例の一つとして、「未来の現場」を実現する「スマートコンストラクション」を展開しています。スマートコンストラクションでは、これまで人手と時間をかけて行っていた測量の工程が自動化され、またICT制御の建設機械により経験の浅いオペレーターでも精巧な作業が可能となります。自動化や省人化で安全性が向上するとともに、工期短縮によりコスト削減とCO2排出削減も実現します。今後は施工現場の見える化、最適化とソリューションを進化させてお客さまをトータルでサポートしていくとともに、このビジネスをコマツの中核事業として育成していきます。

商品使用と生産におけるCO2排出を削減します。

コマツの商品は社会インフラや豊かな生活を作り出す一方で、その生産工程や使用、廃棄といったライフサイクルで環境負荷を与えています。コマツは環境に配慮したダントツ商品・サービスの提供を、お客さまの環境対応に貢献する差別化戦略として位置付けるとともに、工場の電力使用量削減に対しても生産改革として取り組み、生産性を飛躍的に向上させることで、競争力強化につなげています。

特に建設機械がライフサイクルを通じて排出するCO2を見た場合、その約90%がお客さまの使用により発生しており、ここに重点的に取り組むべきであることは明白です。ハイブリッド建設機械など環境性能の高い商品の提供に加え、建設機械の遠隔管理システム「KOMTRAX」から得られる実データに基づいた省燃費運転の提案など、お客さまの使い方に対してもアプローチすることで、長期目標として作業量当たりのCO2排出量を25%削減(※1)することを目指しています。

生産工程で発生するCO2削減についてはこれまでも長期目標を定めて実施してきましたが、今後も電力削減活動などを通じて、国内57%削減(※2)、海外32%削減(※3)を目指します。

  1. 2025年に販売する新車、2007年比
  2. 2020年目標、2000年比
  3. 2020年目標、2010年比

ダイバーシティへの対応とグローバルマネジメントを推進します。

ガバナンスを考える上では、不正がなく経営の透明性が高いことはもちろんのこと、多様な社員が活躍できる会社であることが必要だと私は確信しています。

多様性という点では、女性がもっと活躍できる職場づくりが重要で、女性管理職比率を2018年4月までに7%、2021年4月までに10%とする目標を設定しています。さらには性別を問わず世界中のコマツ社員が活躍できる会社でありたいと考えており、2016年4月、グローバルオフィサー制度を設けました。これまでコマツの海外現地法人(現法)は、その地域をよく理解する現地の人がトップを務めており、ほとんどの現法で現地トップという体制になりました。グローバルオフィサー制度では、主要な現法トップ層をグローバルオフィサーとし、このうち主要なトップマネジメント14名を執行役員に任命して、コマツの重要な会議体にも参加頂くことにしました。このような人たちが、グループ経営の中枢に関わっていくことが、これからのグローバル連結経営を推進するためには重要であると考えています。

コマツの経営の基本は「品質と信頼性」を追求し、「企業価値」を最大化することです。「企業価値」とは、社会と全てのステークホルダーの皆さまからの信頼度の総和です。

この変わらぬ指針のもと、中期経営計画のターゲットである2019年3月、そしてコマツの100周年である2021年とその先の将来に向け、これまで以上にESGを強く意識しながら、本業を通じてお客様や社会の課題解決に貢献していきたいと考えています。

また、国連グローバル・コンパクトやWBCSDなどのイニシアチブにも積極的に参加しながら、グローバル企業としての責任を果たしてまいります。

2016年7月
代表取締役社長 大橋 徹二

コマツは「国連グローバルコンパクト」(UNGC)に署名しています。
UNGCが提唱する10原則と、コマツの取り組みの関係については、こちらをご覧ください。

コマツは「持続可能な開発のための世界経済人会議」(WBCSD)に加入しています。
こちらをご覧ください。