製品安全 -イノベーションと安全性の向上-

イノベーションは、環境性能や経済性など、さまざまな価値を生み出します。その中で私たちが何よりも優先しているのは「安全性」です。

安全な商品の提供に始まり、究極の安全性といえる無人運行システムまで、イノベーションを駆使して、安全の面からも、お客様の価値創造を追求しています。

現場オペレーションの安全に向けて

安全性の高い商品をお客様に提供することは、メーカーとして最優先の責務です。常に最新の国際的な規制・標準に対応することはもとより、他社の追随を許さない「ダントツ」の安全性を備えた商品を、お客様にお届けします。

それと同時に私たちが目指しているのは、お客様の現場オペレーションの「あるべき姿」を実現させる、イノベーションによる安全性向上です。

コマツは、作業機の自動制御を実現したICTブルドーザー(2013年)およびICT油圧ショベル(2014年)を市場導入しました。ICT建機はオペレーターの経験を問わず、熟練者のような高い精度の施工を可能にします。これにより、従来必要とされた補助作業員が不要となり、また「丁張り」という人手による工程が不要となるため、現場の省人化が実現され、安全性が向上します。

さらに究極の安全を実現するのが「無人運行システム」です。オーストラリアやチリ、カナダの大型鉱山で本格稼働している、無人ダンプトラック運行システム(Autonomous Haulage System以下、AHS)は、300トンもの土や鉱物を運搬する超大型ダンプトラックが、自律走行するシステムです。鉱山の過酷な環境で、多数の建設機械や車両を24時間安全に稼働し続けるために、お客様は最大限の注意を払います。そのお手伝いをするのがAHSです。通信衛星や各種レーダー、センサーなど、最先端の技術を組み合わせたこのシステムは、安全を追求するお客様の多様化する要望に応えるため、さらなる進化を続けながら、お客様の現場の「あるべき姿」の実現に貢献しています。

安全への取り組み事例

コマツとNVIDIA、建設現場におけるAIの導入で協業
建設現場の安全と生産性の向上を目指す

 コマツと米国の半導体メーカーNVIDIA社は、2017年12月に開催されたNVIDIA社主催のGPUテクノロジイベント「GTC Japan 2017」での基調講演において、AIを導入することで建設現場の安全と生産性を高めていくパートナーとして協業していくことを発表しました。

◆建設業界が抱える課題
 日本の建設業界は、高齢化や熟練工の減少などによる深刻な労働力不足が課題となっており、技能労働者約340万人(2014 年時点)のうち、1/3にあたる約110万人が今後10年間で離職する可能性が高いことが想定されています
 これらの課題に対処するため、コマツは、2015 年以降「スマートコンストラクション」事業を展開し、建設現場に携わる人・モノ (機械、土など) についてのさまざまな情報をICTでつなぎ、建設現場の安全、生産性を向上させています。同事業は累計で、国内の 4,000以上の建設現場に導入されており、世界への展開も視野に、これからも増え続ける予定です。

◆AI によるコマツのスマートコンストラクション事業の拡大
 コマツは今後、スマートコンストラクションの現場にNVIDIA社のGPUを導入していきます。同社のGPUはコマツのパートナーでもあるSkycatch社のドローンと通信し、3D画像を収集して地形データを作成、可視化します。また、IoT管理ソフトウェア企業のOPTiM社は、現場の地形情報に紐付けて、GPUで認識した人や建機を可視化するためのアプリケーションを提供します。
 この協業の中心となるのは、エッジでAIコンピューティングを提供するNVIDIA社のプラットフォーム、NVIDIA® Jetson™ です。同社のクラウドテクノロジーと連携するJetsonは、コマツの建機に搭載されることで、建機の周りにいる人や機械を直ちに認識できる360°映像が提供可能となり、接触や衝突などの事故を防ぎます。
 そして、将来的には、機器の自動制御に加えて、建設現場や採掘現場の高解像度レンダリングや仮想シミュレーションなどに利用される予定です。

 今後コマツは、NVIDIA社が持つ画像処理や仮想化、AIに関する技術やノウハウを活用することでスマートコンストラクション事業をさらに推進し、「未来の現場」の実現を加速させていきます。


※出所:一般社団法人日本建設業連合会「再生と進化に向けて~建設業の長期ビジョン~」(2015年3月)を基にコマツが推計

無人ダンプトラック運行システム商用導入10周年
稼働台数100台超過達成、既存稼働鉱山の無人化を加速

 コマツの鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(AHS)は、商用導入開始から10周年を迎え、豪州・北米・南米でのAHSダンプトラックの稼働台数は、合計で100台を超えました。これまでの10年間に稼働環境の異なる鉱山現場で実証・蓄積したAHSの安全性・生産性・環境性・システム柔軟性に対する高い市場評価を踏まえ、コマツは鉱山現場でのAHS導入を一層加速していきます。

 コマツは、2005年にチリのCODELCO社銅鉱山へAHSを試験導入し、2008年1月に同社と共に世界初のAHSの商用導入に成功しました。そして、2008年末には豪州Rio Tinto社鉄鉱山においてもAHS導入に成功し、Rio Tinto社は、現在までに西豪州ピルバラ地区の4鉱山でAHSダンプトラックを導入・稼働させております。Rio Tinto社の全ての無人オペレーション運行管理は現場より約1,500km離れたパースの同社オペレーションセンターより安全に、かつ、効率的に実施されています。これらの成果を受け、2013年にはコマツはカナダのSuncor社オイルサンド鉱山の一部稼働エリアへのAHS試験導入の支援を実施しています。

 現在、コマツのAHSは合計3カ国・6鉱山・3鉱石運搬で24時間稼働しており、2017年末時点までの累計総運搬量は15億トンを達成しています。AHSの安全性に関しては、わずかな運転ミスが重大事故に発展する可能性のある鉱山現場において、既存の有人オペレーションに比べて格段に高まるとの評価を得ています。また、生産性に関しても、既存の有人稼働の積込・運搬コスト単価に比べて、15%を超えるコスト削減効果が実証されています。さらに、AHSの最適な自動運転制御による急加速・急ハンドルの減少により、タイヤ寿命が40%改善する効果も実証されており、AHS導入による様々な効果は環境負荷低減にも多大な貢献を示しております。

 AHSで実証した無人化の効果を既存稼働鉱山にも展開すべく、コマツは2017年9月にRio Tinto社既存鉱山で有人稼働中の電気駆動式大型ダンプトラック830E(最大積載量:220トン)を無人稼働可能とするAHS改造後付キットの試験導入に成功し、この度、Rio Tinto社より同社豪州ブロックマン4鉱山で有人稼働する830E 29台向けに一括受注しました。

 今後コマツは、このAHS改造後付キットを主要なコマツ大型トラックモデルに展開すると共に、既存の他社製トラックをAHSフリート内で安全に有人稼働させる混走稼働の機能拡充を進め、鉱山会社において一層需要が高まりつつある既存鉱山の段階的な無人化移行に貢献するAHSソリューションを提供していきます。


写真:AHS改造後付キットを搭載し無人稼働する830E
   (場所:豪州Rio Tinto社鉄鉱山)