大会結果

初シニアツアー参戦から今年で7年目の中瀬寿（56）が、2日目からのトップの座を守りきり通算13アンダー、203でシニア初優勝した。

中瀬は最終日の前半、飯合肇（54）にトップの座を奪われたが、最後まで冷静なプレーを続け、この日も4バーディー、ノーボギーの68とスコアを伸ばし、再逆転を演じてシニアツアー初の栄冠を勝ちとった。中瀬は3日間でボギーは初日の一つのみ、3日間とも60台のスコアを記録する完璧なゲーム運びでの勝利であった。

これで一気に賞金ランキングも3位に浮上した。2位には1打差の12アンダーで三好隆（57）と飯合肇が入った。前年優勝の中尾豊健（57）が11アンダーの4位。初日トップの渡辺司（51）は、髙橋勝成（58）とともに5位タイ。
中嶋常幸（53）は6アンダー、9位タイ。青木功（66）は5オーバー、50位タイに終わった。中瀬は最終日、初優勝が目の前に迫っても前日までの安定したゴルフを続けた。

最終の18番ロングホールでは5メートルにショットを付け、確実に2パットで沈め1打差を守り抜いた。
勝利の瞬間、中瀬は小さなガッツポーズでうれしい初優勝の喜びを表現した。「ホントにこの3日間は精神的にも落ちついて最後までやれました。ショットがずっとよくて、とくにドライバーは多少ラフにも入ったが、トラブルになるようなことが一つもなかったのがよかった。パターも私はみんなみたいにあれこれと悩まない方なのでね。」とさらりと言った。

中瀬は、93年の関西オープン（後援競技）、京都・滋賀オープン2勝など、ツアー外での3勝はあるが、レギュラー、シニアを通じて初めての優勝。今年はスターツ9位タイ、ファンケル20位タイとまずまずの成績が続き期待は高まっていた。「今まで失敗続きだった原因はわかっていたんです。僕はインパクトを“早く終わってしまいたい”という気持ちで強くぶつけていくスイングばかりしていた。これを少しずつ静かにインパクトするように心掛けてきたのが、やっと効果をみせてきたと思う。それで逆に飛ぶようになった」と最近の好調ぶりを分析した。